3月の現金給与総額2.1%増、14年9ヵ月ぶりの伸び

 厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」結果速報によると、従業員5人以上の事業所の3月の一人平均現金給与総額は、前年同月比2.1%増の28万4464円で8ヵ月連続の増加、2003年6月以来14年9ヵ月ぶりの大幅な伸びとなった。給与総額のうち、所定内給与は1.3%増の24万3968円で12ヵ月連続、所定外給与は1.8%増の2万265円で5ヵ月連続、賞与など特別に支払われた給与は12.8%増の2万231円で8ヵ月連続の増加となった。

 所定内給与と所定外給与を合計したきまって支給する給与は、前年同月比1.3%増の26万4233円で12ヵ月連続の増加。現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は1.9%増の36万6672円、パートタイム労働者は0.6%増の9万6398円。なお、物価の変動分を計算に入れた実質賃金指数(現金給与総額)は、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)が1.3%上昇したが、これを賃金の伸びが上回り0.8%増と4ヵ月ぶりに増加した。

 3月の一人平均総実労働時間は、前年同月比1.4%減の142.6時間で2ヵ月連続の減少。内訳は、所定内労働時間が1.5%減の131.4時間で2ヵ月連続の減少、所定外労働時間も1.7%減の11.2時間で3ヵ月連続の減少。景気との連動性が高い製造業の所定外労働時間(季節調整済指数)は1.1%増で前月と同水準。就業形態別にみると、一般労働者は1.6%減の168.0時間、パートタイム労働者は1.3%減の82.0時間となった。

 一方、3月の常用労働者数は、前年同月比1.9%増の4921万人となり、145ヵ月連続の増加。就業形態別にみると、正社員などの一般労働者は2.2%増の3427万6千人と55ヵ月連続の増加、パートタイム労働者は1.5%増の1493万4千人と147ヵ月連続の増加。主な産業についてみると、製造業は1.1%増、卸売業、小売業は1.7%増、医療、福祉は2.3%増となった。なお、勤労統計の速報値は、確報で改訂される場合がある。

 3月分結果速報の概況は↓
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/30/3003p/dl/pdf3003p.pdf