東京商工リサーチが発表した「負債1千万円未満の倒産調査」結果によると、8月は24件(前年同月比▲42.8%)発生したが、3ヵ月連続で前年同月を下回った。8月としては、3年連続の減少で、2008年以降の15年間では2008年(20件)に次いで、2番目の低水準だった。また、「新型コロナ」関連倒産は前年同月と同件数の8件で、2ヵ月連続で10件を下回った。構成比は33.3%(前年同月19.0%)で、3社に1社の割合だった。
産業別でみると、最多は、「サービス業他」の13件(前年同月比▲45.8%)で、負債1000万円未満の倒産の54.1%を占めた。以下、「建設業」4件(同▲42.8%)、「農・林・漁・鉱業」、「小売業」、「情報通信業」が各2件の順。「小売業」が3年連続、「建設業」、「卸売業」(1件)が2年連続で、それぞれ前年同月を下回った。「製造業」は15年間で初めて、「金融・保険業」、「不動産業」、「運輸業」は2年ぶりに、それぞれ発生がなかった。
形態別は、最多が「破産」の23件(前年同月比▲43.9%)で、8月では3年連続で前年同月を下回り、負債1000万円未満の倒産の95.8%を占め、前年同月から1.8ポイント低下。このほか、「取引停止処分」が1件。負債1000万円未満の倒産は、ほとんどが小・零細企業で、業績不振から抜け出せず、先行きの見通しも立たない企業が占める。こうした経営再建や再構築に投じる資金余力が乏しい企業が、事業継続を断念するケースが多い。
原因別では、最多が「販売不振」の17件(前年同月比▲46.8%)で、8月では2年ぶりに前年同月を下回り、負債1000万円未満の倒産の7割(構成比70.8%)を占め、前年同月の76.1%から5.3ポイント低下した。「既往のシワ寄せ(赤字累積)」は、2019年以来、3年ぶりに発生がなかった。『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は17件(前年同月比▲50.0%)で、2年ぶりに前年同期を下回った。
資本金別では、「1千万円未満(個人企業他を含む)」が23件(前年同月比▲39.4%)で、8月としては3年連続で前年同月を下回り、負債1000万円未満の倒産に占める構成比は95.8%だった。内訳は、「個人企業他」が8件(同▲46.6%)、「100万円以上500万円未満」が6件(同▲57.1%)、「100万円未満」が5件(同▲28.5%)など。「5000万円以上1億円未満」と「1億円以上」は、2008年以降の15年間では発生していない。
同調査結果は↓