7割以上が改正育児介護休業法に対応済み・対応予定

 2022年4月より、改正「育児・介護休業法」の施行が段階的にスタートしている。マンパワーグループが企業の人事担当者を務める20代~50代の男女400名を対象に実施した「改正育児・介護休業法への対応実態調査」結果によると、法改正に対する勤務先企業の対応状況は、「すでに法定以上の充実を図っている」が41.3%、「今後法定以上の充実を図る予定」が33.3%と、7割以上が対応済み・対応予定であることが分かった。

 育児・介護休業法の改定に対し、「すでに法定以上の充実を図っている」と回答した人に育児・介護休業法の改正に伴う社内制度の充実によって、男性の制度利用者は増加したか聞いたところ、「増えた」(63.0%)が6割超となった。そのほか、「大幅に増えた(従前の2倍以上)」は7.2%、「増えた(従前の1.5倍程度)」は21.0%、「やや増えた(従前の1.1~1.3倍程度)」は34.8%となっている。

 改正された育児・介護休業法について実感することや課題感については、「実際に取得しやすい職場環境づくりが重要」(男性・55歳/東京都)といった経営層や職場、従業員の理解が進んでいないことを課題に挙げる声が少なくない。社内全体の意識を変えることがまず必要だと考えているようだ。また、男性の取得推進が難しいことを実感している人や育児休業を取得した社員の業務をカバーすることの必要性を感じている人も多くいた。

 こうした背景のもと、利用する人としない人との間に生じる不公平感がなかなか払拭されない点を課題とする声も少なからずあり、「独身社員やすでに子育て・介護を終えた社員など、利用できなかった社員にも何かベネフィットは付与したい」(女性・47歳/東京都)という声も。人事部門としての業務面における課題としては、人事部門の生産性の低下、手続きや管理が煩雑になることを心配している声もあった。

 今回の調査では、運用での課題はまだまだ多いと感じている声は多く、「社内の理解促進」、「取得しやすい環境づくり」、「取得による欠員の補充」、「取得していない従業員の不公平感の解消」、「人事部門の業務負荷の増大」、「人事制度面の各種対応」など、様々な課題が挙げられた。育児・介護休暇(休業)の改正に対応する際には、こうした点も念頭に置き、多様な面から環境の整備や社内におけるルールづくりを考えることが必要といえそうだ。

 同調査結果は↓

https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20220905.html