4月の倒産は618件、3ヵ月連続の前年同月比減少

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、4月の倒産件数は618件で、前月比では18.7%の減少、前年同月比でも4.9%の減少となり、3ヵ月連続で前年同月を下回った。業種別では7業種中、建設業や運輸・通信業、不動産業などの6業種で、地域別では9地域中、北海道や関東などの4地域で、それぞれ前年同月に比べ減少した。

 一方、負債総額は827億7000万円(前月3489億5900万円、前年同月915億1400万円)となり、前月比は76.3%減、前年同月比でも9.6%減となり、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。2018年2月の887億4600万円を下回り、2000年以降で最小。負債10億円以上の倒産は8件と、2018年2月(9件)を下回り、2000年以降最少となった。負債トップは、(株)朽木ゴルフ倶楽部(滋賀県、民事再生法)の77億3200万円。

 業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を下回った。なかでも、建設業(102件、前年同月比12.1%減)、運輸・通信業(17件、同26.1%減)、不動産業(13件、同13.3%減)の3業種は前年同月比二ケタの減少。一方、小売業(150件、同2.0%増)は唯一前年同月を上回った。建設業は、職別工事(42件、同13.5%増)、設備工事(28件、同12.0%増)は増加も、総合工事(32件、同40.7%減)が大幅減少し、建設業全体を押し下げた。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は381件、構成比は61.7%を占め、依然として小規模倒産が過半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が403件で構成比は65.2%と高水準になった。負債5000万円未満の倒産では、小売業(110件)が構成比28.9%(前年同月比1.6ポイント減)を占め最多。サービス業(98件)が同25.7%(同2.3ポイント増)で続いた。

 地域別にみると、9地域中4地域で前年同月を下回った。このうち、北海道(14件、前年同月比36.4%減)は5ヵ月連続、関東(219件、同18.3%減)は3ヵ月連続の前年同月比減少。なかでも、東京都(117件)は前年同月比26.4%の大幅減少となり、件数全体を押し下げた。一方、東北(35件、同52.2%増)、四国(13件、同18.2%増)など5地域は前年同月を上回った。

 同倒産状況の概要は↓
http://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/1804.html