女性管理職、政府が目指す「30%」以上の企業は1割弱

 帝国データバンクが発表した「女性登用に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1503社)によると、自社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合は、平均9.4%となり、過去最高を更新したが、前年比0.5ポイントの微増にとどまり、依然として1割を下回る低水準が続いている。規模別にみると、「小規模企業」が平均 12.5%、「中小企業」9.9%、「大企業」は6.8%と、規模が小さい企業ほど女性管理職割合の平均は高い。

 また、2022年4月に改正女性活躍推進法が施行され、女性活躍に関する情報公開の対象が、従業員数301人以上から101人以上の企業に拡大されたが、それぞれの区分で女性管理職割合の平均をみると、従業員数が「301人以上」で7.5%(前年比 1.0 ポイント増)となった。他方、新たに情報公開の対象となった従業員数「101人~300人」の企業では同0.5 ポイント増の6.0%となった。

 政府が目標として掲げている「女性管理職30%」を超えている企業は9.5%で過去最高となったものの、依然として一ケタ台にとどまった。「女性管理職30%」を超えている企業を規模別にみると、女性管理職割合の平均と同様に「小規模企業」(15.6%)が最も高かった。業界別では「小売」(20.8%)、「農・林・水産」(19.5%)、「不動産」(15.1%)が上位となり、「建設」(5.3%)、「運輸・倉庫」(5.9%)などは低水準にとどまっている。

 自社の役員(社長を含む)に占める女性の割合は平均12.7%と、前年から0.9ポイント増加し、過去最高となった。また、役員が全員男性とする企業は53.5%と依然として半数を超えている。自社における女性管理職割合は現在と比較して今後どのように変わると考えているかについては、女性管理職の割合が「増加する」と見込んでいる企業は32.4%。他方、「変わらない」は42.9%となった。

 女性役員については、今後「増加する」と考えている企業は12.5%となった一方で、「変わらない」は6割近く(58.6%)を占めている。また、女性管理職割合が今後「増加する」と見込む割合を規模別にみると、大企業では49.2%となり全体(32.4%)を大きく上回った一方で、中小企業(29.2%)および小規模企業(20.9%)は大企業を大きく下回った。女性役員割合についても同様の傾向がみられるが、規模間格差はさほど大きくなかった。

 女性の活躍推進のために自社で行っていること(複数回答)は、「性別にかかわらず成果で評価」が 59.4%でトップ、次いで、「性別に関わらず配置・配属」(47.0%)が続き、男女平等に関わる項目が上位に並んだ。「女性の育児・介護休業を取りやすくする」(39.7%)や「就業時間の柔軟化」(25.9%)といった、女性にとって働きやすい環境づくりに関連する項目も上位5項目に2つランクインした。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220813.pdf