総務省は7月26日、2022年度の地方交付税(普通交付税)不交付団体は前年度より19団体多い73団体(道府県分1=東京都のみ、市町村分72)となり、3年ぶりに増加したことを公表した。73市町村のうち、静岡県の富士市と御殿場市、東京都の小金井市、国分寺市、国立市等、神奈川県の川崎市などの19市町が新たに不交付団体となった。逆に山梨県の忍野村は前年度不交付団体から2022年度は交付団体になった。
地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整するため、地方法人税の全額と国税の一定割合を国が地方に再配分するもの。このため、不交付団体は財政が豊かともいえる。2007年に142あった不交付団体は、リーマンショック後の2009年には95団体、2010年には42団体に急減。これを底に以後徐々に増えてきた。2022年度は73団体に増え、その結果、交付団体は46道府県、1646市町村の計1692団体となった。
総務省は、7月26日に各地方公共団体に対する普通交付税の交付額等を決定し、同日、「2022年度普通交付税大綱」を閣議報告した。同省では、2022年度の普通交付税算定のポイントとして、(1)2022年10月以降の看護、介護、保育等の職員の収入引上げ、(2)保健所の人員体制の強化、(3)寒冷補正(積雪度)の級地見直し、(4)地域社会のデジタル化の推進に要する経費、(5)基準財政収入額の増加を挙げている。
決定した2022年度普通交付税の額は、道府県分が9兆1042億円(対前年度比19.8%増)、市町村分が7兆8662億円(同5.4%増)の総額16兆9705億円(同3.5%増)にのぼる。都道府県別にみると、「北海道」が6394億9200万円で最も多く、次いで、「兵庫県」(3374億5600万円)、「大阪府」(3003億6700万円)、「福岡県」(2825億3400万円)と続いている。不交付の東京都を除くと、最少は「愛知県」の1237億1200万円だった。
なお、税制改正等により、地方に減収が生じた場合に特例的に交付される地方特例交付金は、既存のものとしては、個人住民税における住宅ローン減税の実施に伴う地方公共団体の減収を補てんするための個人住民税減収補填特例交付金があり、2022年度は市町村分で1399億円が決定している。これらの地方特例交付金は、いずれも普通交付税の交付・不交付にかかわらず、全地方公共団体が交付対象となる。
2022年度普通交付税の算定結果等は↓https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei04_02000132.html