増収傾向が続く自動車部品関連メーカーの業績

 東京商工リサーチがこのほど発表した「自動車部品関連メーカーの業績動向調査」結果によると、自動車部品関連メーカー4391社の最新期(2016年10月期~2017年9月期)の売上高合計は33兆2021億8500万円(前期比1.5%増)で、堅調に推移していることが分かった。ただし、利益(当期純利益)の合計は1兆1260億3300万円(同6.1%減)と減益となり、増収減益だった。

 4391社のうち、中小企業(4170社)の利益は、前期比18.3%増と好調だったが、大企業(221社)は同9.4%減と苦戦し、明暗が分かれた。トヨタ自動車など大手自動車メーカーは海外市場の販売増などで好調を持続し、その波及効果で自動車部品関連メーカーも小幅ながら増収を続けている。最新期の減益要因は、為替変動や原材料の高騰、人件費上昇、投資負担などがあり、とくに大手が軟調な動きだった。

 自動車部品関連メーカー4391社の売上高は、「1億円以上5億円未満」が1414社(構成比32.2%)で最も多かった。次いで、「1億円未満」が1041社(同23.7%)、「10億円以上50億円未満」が809社(同18.4%)の順となっている。5億円未満の構成比が55.9%を占める一方で、構成比がわずか7.9%の100億円以上の348社が全体の売上高の約9割(構成比87.3%)を占めている。

 4391社の最新期の増減収別は、増収企業が2141社(構成比48.7%)。一方、減収企業は1614社(同36.7%)、横ばいが636社(同14.4%)。前期と比べ増収企業は7.6ポイント増加し、好調な受注がうかがわれる。4391社の最新期の増減益別は、増益企業が2175社(構成比49.5%)。減益企業は1513社(同34.4%)、横ばいが703社(同16.0%)。最新期の利益が赤字だったのは592社(構成比13.4%)で、前期の752社から160社減少した。

 主な自動車部品関連メーカーの売上高ランキング(最新期、単体決算)は、トップが「デンソー」で2兆4728億4900万円(前期比1.9%増)、次いで、2位は「トヨタ車体」で1兆7210億8800万円、3位は「豊田自動織機」の1兆2527億9700万円。4位の「アイシン・エィ・ダブリュ」、6位の「アイシン精機」、8位の「トヨタ紡織」、9位の「ジェイテクト」など、上位10社にトヨタ系列が7社ランクインした。

 同調査結果は↓
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20180514_01.html