「エシカル消費」の名称認知率は4割超え~電通調査

 エシカル消費とは、消費者それぞれが社会的課題の解決を考えたり、社会的課題に取り組む事業者を支援するなどして、消費活動を行うこと。電通が全国10~70代の男女計2500名を対象に実施した「エシカル消費意識調査」結果によると、「エシカル消費」について、「意味まで知っている」(6.9%)、「名前は知っている/聞いたことがある」(34.2%)を合計した名称認知率は全体で41.1%となり、前回2020年調査の24.0%から大きく伸長した。

 性年代別にみると、特に名称認知率が高い層は、男性16~24歳(51.2%)と男性25~39歳(51.0%)で半数を超えた。最も名称認知率が低い層は、男性60~79歳(27.2%)。全体的に「名前は知っている/聞いたことがある」人は増加傾向にあるが、「意味まで知っている」人は大きな増加は見られず、世の中で「エシカル消費」という言葉をメディアの報道や記事などを通じて聞いたことがある人は増えたものの、理解浸透までには至っていない。

 エシカル消費20項目での認知度は、前回調査に引き続き「食品ロス防止」(62.0%)、「再生可能エネルギー」(60.3%)が上位で、17ポイント以上伸長。下位は「エシカル金融投資」(12.4%)、「ダイベストメント」(8.9%)で、前回調査からほぼ変化がみられない。共感度上位は順に「食品ロス防止」(61.0%)、「再生可能エネルギー」(48.9%)、「地産地消」(47.1%)で、実施意向は「食品ロス防止」(53.1%)、「地産地消」(37.6%)が上位。

 エシカル消費を実施する条件(複数回答)は、前回調査に引き続き「価格が同じだったら」(44.0%)と「メリットが分かったら」(38.1%)が高く、次いで「品質・機能が良かったら」(36.2%)、「身近な店で売っていたら」(35.0%)、「自分の関心がある問題に関する商品であれば」(32.4%)が伸長した。エシカル消費を選択する場合でも、購入する商品や自らの生活の質を落としたくないという消費者の傾向が見受けられる。

 業界別エシカル消費実施意向では、「食品」、「日用品」、「家電」などの生活用品(衣料品を除く)など、エシカル消費の具体的なアクションが一般的にも分かりやすい消費財は自分ゴト化しやすく、エシカル消費をしてみたいと思いやすい傾向にある。一方、「自動車」や「住宅」などの耐久財はエシカル消費との関連性や影響が想像しにくく、環境負荷低減の可視化といったエシカル消費との関連性やインパクトを分かりやすく提示する必要がある。

 同調査結果は↓

https://www.dentsu.co.jp/news/item-cms/2022021-0620.pdf