短期的な事業上のリスクは「資源価格の急激な上昇」

 日本経団連が14日に発表した「政策要望等に関するアンケート調査」結果(有効回答数220社)によると、重要視する事業上のリスク(短期:今後1年程度、最大3つまで回答)は、最多が「資源価格の急激な上昇」(50.9%)、次いで、「サプライチェーンを巡る課題」(47.7%)となった。昨年秋の前回調査(それぞれ37.0%、42.5%)から上昇。いずれも、製造業のうち約6割の企業が重大なリスクとして認識している。

 3番目に挙げられた「国内外での感染症の長期化」(45.9%)は半数弱の企業が回答したものの、前回から▲約30ポイントと大幅減少。また、今後2~5年程度の重要なリスク(最大3つまで回答)は、「必要な人材の不足」(36.4%)、「従来型ビジネスモデルの陳腐化」(35.0%)が前回調査同様に上位。製造業では「サプライチェーンを巡る課題」、「資源価格の急激な上昇」、非製造業では「自然災害」、「金融資本市場の混乱」の回答が多い。

 今後1年程度の短期的に政府が重点的に取り組むべき施策(最大5つまで回答)は、最多が「資源価格変動への対応」(51.4%)。昨年秋の調査から約20ポイント上昇し、製造業のうち62.2%と約6割が回答。次いで、「国内外の人の往来に関する措置の適正化」(49.5%)で、製造業・非製造業を問わず、約半数の企業が回答。「金融・資本市場の安定化」(38.6%)、「サイバーセキュリティの向上」(25.9%)は前回調査から大きく上昇した。

 今後2~5年程度の中期的な政府への政策要望(最大5つまで回答)では、「DX推進への支援」(50.5%)、「GX推進への支援」(47.7%)が前回調査同様に、製造業・非製造業を問わず、約半数の企業が回答。次いで、「資源価格変動への対応」(33.6%)、「金融・資本市場の安定化」(32.3%)、「革新的イノベーション推進への支援」(31.4%)と続き、うち「資源価格変動への対応」は製造業が62.2%で前回から約14ポイント上昇している。

 なお、企業の国内設備投資・研究開発投資の動向では、国内設備投資、研究開発投資ともに、約6割の企業が「増加させる」と回答。また、資源価格・原材料価格上昇の影響は、資源価格・原材料価格上昇は、約8割の企業がマイナスの影響と回答。資源価格・原材料価格上昇への対応(複数回答)としては、「販売価格への転嫁」(78.2%)、「コストカット等の経費削減」(69.7%)に取り組む(もしくは検討する)企業が多かった。

 同調査結果は↓https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/059.pdf