21年度に設備投資を実施した小企業は26.1%に低下

 日本政策金融公庫が取引先企業を対象に3月中旬に実施した「小企業の設備投資動向調査」結果(有効回答数6144社)によると、2021年度に設備投資を実施した小企業の割合は、前年度に比べて3.7ポイント低下し、26.1%となったことが分かった。また、2022年度に設備投資を予定している企業の割合は、2021年度の予定企業割合から0.6ポイント低下し、14.2%となっている。

 業種別に2021年度の設備投資実施割合をみると、「運輸業」が39.4%と最も高く、次いで「飲食店・宿泊業」(34.5%)、「情報通信業」(29.9%)の順。従業者規模別に設備投資実施割合をみると、「1~4人」で21.3%、「5~9人」で31.4%、「10人以上」で40.6%と、規模が大きい企業ほど高い。業歴別の設備投資実施割合では、「1年以上3年未満」で41.9%と最も高くなっており、次いで「3年以上5年未満」で35.4%となっている。

 2021年度の設備投資の目的(複数回答)をみると、「補修・更新」と回答した企業割合が59.5%と最も高く、次いで、「売上増加」(24.1%)、「省力化・合理化」(22.4%)の順となっている。設備投資の目的を業種別にみると、どの業種でも「補修・更新」が最も高くなっている。なかでも、「小売業」や「飲食店・宿泊業」での割合が各64.9%、64.5%と高い。一方、「売上増加」の割合は、「卸売業」で29.0%と高くなっている。

 年間の設備投資の金額をみると、「100万円以上300万円未満」と回答した企業割合が24.6%と最も高く、次いで「50万円未満」(23.8%)、「50万円以上100万円未満」(19.2%)の順。300万円以上の企業割合は前年度から4.4ポイント上昇し、32.4%となった。また、設備投資の内容をみると、「車両」、「建の増改築」と回答した企業割合がともに15.2%と最も高く、次いで「空調機器」(12.3%)、「商業用機械・設備」(11.4%)の順となっている。

 なお、設備投資を実施しなかった企業の現在の設備の状況は、「十分である」と回答した企業割合は63.5%、「不十分である」と回答した企業割合は36.5%となった。現在の設備が「不十分である」と回答した企業が設備投資を実施しなかった理由(複数回答)は、「事業の先行きに不安があるから」が67.2%と最も多く、次いで「借り入れ返済(リース支払)負担が重いから」(48.2%)の順となっている。

 同調査結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/tokubetu_220526.pdf