信用保証利用企業の資金繰りは横ばい状態~日本公庫

 日本政策金融公庫が、従業員20人以下の小規模企業を中心に3月中旬に実施した「信用保証利用企業動向調査」結果(有効回答数4435社)によると、資金繰りDI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、2022年1~3月期実績ではマイナス幅が前期から0.4ポイント拡大の▲24.4と、中小企業の資金繰りは横ばいとなった。来期2022年4~6月期はマイナス幅が同6.5ポイント縮小の▲17.9と改善する見通し。

 また、今期(1~3月期)に借入を実施した企業の割合は、前期比0.2ポイント増の14.5%と横ばい。従業員規模別にみると、「0~20人」が同0.5ポイント増の12.9%、「21人以上」は同▲1.9ポイントの22.3%。一社当たりの借入金額構成比は、「1千万円以下」が同▲2.1ポイントの36.8%、「1千万円超5千万円以下」が同2.5ポイント増の42.7%、「5千万円超」が同0.5ポイント増の21.2%で、平均借入金額は5156万円だった。

 今期に借入を実施した企業のうち、保証を利用した企業割合は、前期比4.9ポイント増の54.1%と増加。保証利用割合別では、「全額利用」の割合は同3.9ポイント増の45.4%、「一部利用」も同0.9ポイント増の8.6%とともに増加した。来期(4~6月期)における保証利用要請DI(前期比、「強くなると思う」−「弱くなると思う」、季節調整値)はマイナス幅が同0.9ポイント拡大の▲3.5とほぼ横ばいとなった。

 一方、生産・売上DI(前期比、「増加」−「減少」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が前期比2.0ポイント増の▲29.0とマイナス幅がやや拡大。来期はマイナス幅が0.2ポイント縮小の▲8.5が見込まれる。また、採算DI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が同0.1ポイント拡大の▲33.1と横ばいとなり、来期はマイナス幅が同16.6ポイント縮小の▲16.5の見通しとなっている。

 なお、新型コロナウイルス感染症による企業活動へのマイナスの影響については、「現在影響あり」と回答した企業は73.7%と、20年4~6月期以降7割前後で推移している。内訳をみると、「回復の兆しあり」とする企業の割合が5.7ポイント低下の36.6%、「回復の兆しなし」とする企業が9.3ポイント上昇の37.2%だった。業種別にみると、建設業は「現在影響あり」が60.8%と他業種と比べて低い割合となっている。

 同調査結果は↓https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/hosyouyouyaku212.pdf