東京商工リサーチが4日に発表した「主な『シェアハウス業者』752社動向調査」結果によると、国内の主な「シェアハウス業者」752社は、全体の60.1%が設立から5年未満の新興企業で、資本金1000万円未満(個人企業など含む)の小規模業者が84.4%を占めることが分かった。本社所在地は東京都が最も多いが、広がるインバウンド需要を背景に京都府や北海道、沖縄県など観光客を見込んだ地域でも多かった。
シェアハウス業界は、女性専用シェアハウスの「かぼちゃの馬車」を展開していた(株)スマートデイズ(東京都)が4月9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請(その後破産)し、5月22日にはゴールデンゲイン(株)(東京都)も同地裁から破産開始決定を受けるなど、経営破たんが相次ぎ、シェアハウス業者の経営悪化でサブリース賃料が途絶え、オーナーが銀行借入を返済できないケースが相次ぎ、一部で社会問題化している。
シェアハウス業者752社を業歴別でみると、最多は「5年未満」の452社(構成比60.1%)だった。次いで「5年以上10年未満」の136社(同18.0%)、「10年以上20年未満」の76社(同10.1%)と続く。一方、「30年以上」は33社(同4.3%)にとどまる。こうした業歴の長い企業も本業のほか、あらたにシェアハウス事業に乗り出したケースが大半で、新興企業が多い業界であることが浮き彫りとなった。
752社を資本金別でみると、最多は「100万円以上1000万円未満」で60.9%を占め、次いで「100万円未満」が12.9%と、小規模資本の企業が大半を占める。また、都道府県別でみると、最多は「東京都」が37.9%、「京都府」10.9%、「大阪府」7.4%、「神奈川県」6.5%と続く。大都市や首都圏に本社を置く企業が多いが、京都府や北海道(構成比各4.3%)、沖縄県(同2.6%)など、インバウンド需要で賑わう地域に本社を構える企業も目立った。
なお、シェアハウス業者で、直近3期の売上高が判明している124社を対象に分析したところ、2015年の124社の売上高合計は578億8000万円だったが、2016年は664億8900万円(前期比14.8%増)に増加。2017年は806億7400万円(同21.3%増)にさらに急増した。2015年からの2年間では、売上高は39.3%増と大幅な伸びを見せており、シェアハウスの市場規模が急速に拡大している。
同調査結果は↓
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20180604_01.html