帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、5月の倒産件数は731件で、前月比では18.3%増加したものの、前年同月比では6.8%の減少となり、4ヵ月連続で前年同月を下回った。業種別では7業種中、建設業や製造業、不動産業などの4業種で、地域別では9地域中、北海道や関東などの6地域で、それぞれ前年同月に比べ減少した。
一方、負債総額は933億200万円(前月827億7000万円、前年同月961億7200万円)となり、前月比は12.7%増加したものの、前年同月比では3.0%減となり、2ヵ月連続で前年同月を下回った。これは、負債100億円以上の倒産が1件発生したが、負債5000万円未満の小規模倒産が63.2%と大半を占めたことが要因。負債トップは、(株)ビバック(東京都、破産)の185億9086万円だった。
業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を下回った。なかでも、建設業(120件、前年同月比18.4%減)、製造業(80件、同29.8%減)、不動産業(24件、同20.0%減)の2業種は前年同月比二ケタ減。一方、卸売業(102件、同5.2%増)、サービス業(183件、同8.3%増)など3業種は前年同月を上回った。建設業は、都市部でのオフィスビルやホテルの建設増加を受け、設備工事(16件)が2000年以降最少となるなど、幅広く減少した。
負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は462件、構成比は63.2%を占め、依然として小規模倒産が過半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が479件で構成比は65.5%と高水準になった。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(129件)が構成比27.9%(前年同月比2.9ポイント増)を占め最多。小売業(121件)が同26.2%(同2.9ポイント減)で続いた。
地域別にみると、9地域中6地域で前年同月を下回った。このうち、北海道(23件、前年同月比17.9%減)は6ヵ月連続、関東(267件、同12.2%減)は4ヵ月連続の前年同月比減少となった。一方、中国(30件、同66.7%増)など3地域は前年同月を上回った。北海道は卸売業(5件)など4業種で増加も、建設業(1件、同85.7%減)、サービス業(4件、同50.0%減)の2業種で大幅減となり、地域全体を押し下げた。
同倒産状況の概要は↓
http://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/1805.html