DX推進、社長年齢が「39歳以下」の企業がトップ

 デジタル技術の進展や新たな消費需要の創出などでビジネス環境が激しく変化するなか、企業にはデータとデジタル技術を活用した製品や、サービス・ビジネスモデルの変革によって競争上の優位性を確立させる「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」の実現が求められる。しかし、帝国データバンクが実施した『DX推進に関する企業の意識調査』では、「DXの意味を理解し、取り組んでいる」企業は15.7%と7社中1社にとどまった。

 そこで、帝国データバンクは、DX推進に関する企業の実態について分析した。その調査結果によると、「DXの意味を理解し、取り組んでいる」企業を社長年齢別にみると、最若年層である「39歳以下」が20.1%でトップとなり、全体を4.4ポイント上回っている。帝国データバンクの調べによると、全国の社長平均年齢は60.3歳だが、社長の年齢が平均よりも若い企業のほうがDXへの取組みが進んでいるという結果になった。

 DXに取り組んでいる39歳以下の社長からは、「ITやデジタルなどには抵抗がない」といった声が聞かれ、デジタル化への抵抗が少ないことがDXへの取組みの一つのきっかけである様子がうかがえた。その背景として、「39歳以下」の社長はパソコンやインターネットが普及した時代に育った30代と、デジタルが当たり前の時代に生まれた20代が含まれているため、比較的デジタルに慣れ親しんでいる傾向にあることが考えられる。

 「DXの意味を理解し、取り組んでいる」企業を創業・設立年数別にみると、スタートアップ企業を含む「5年未満」が25.0%で最大となり、全体(15.7%)を9.3ポイント上回っている。企業からは、「試験的に運用していて成果が出ている。システムをつくりたいアイデアはあるが、具現化に向けて課題がある」といった声があり、DX実現に向けて前向きに取り組んでいる企業でも、課題は残っている。

「DXの意味を理解し、取り組んでいる」企業を地域別にみると、「東京」、「神奈川」、「埼玉」、「千葉」の1都3県(『南関東』)が18.6%で最も高くなった。「DXの意味を理解し、取り組みたいと思っている」企業(25.5%)と合わせて44.1%が『DXに積極的』。なかでも「東京」のDXへの取組み割合は 22.3%にのぼっている。

 他方『近畿』ではDXへの取組み割合は全国に近いものの、DXにこれから取り組みたいと思っている企業の割合が 29.1%と比較的高く、『DXに積極的』な企業は45.1%と1都3県(『南関東』)をやや上回りトップとなった。なかでも、「大阪」ではDXに取り組みたいと思っている企業は30.4%にのぼり、今後のDX推進が期待される。一方で、『東北』において『DXに積極的』な企業は33.3%と最も低く、全体を約8ポイント下回った。

 同調査結果は↓https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220302.pdf