帝国データバンクがこのほど発表した「食品主要195社の価格改定動向調査」結果によると、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした10月の飲食料品値上げは2911品目を数えた。前年10月と同様に、ハム・ソーセージ製品など加工食品やPET飲料などで大規模な値上げが発生し、4月(2897品目)を14品目・0.5%上回って年内最大の値上げラッシュとなる。
ただし、10月単月の値上げとしては缶ビールなどアルコール製品の多くで値上げが発生しなかったことで、2022年(7864品目)の4割弱、23年(4758品目)の約6割にとどまり、10ヵ月連続で前年同月を下回った。また、1回あたりの平均値上げ率は10月単月で 16%だった。2024年通年の値上げ品目数(予定含む)は12月までの累計で1万2401品目となり、年間の平均値上げ率は17%となった。
コメ価格の高騰を要因としたパック米飯製品でまとまった値上げが予定され、11月は11ヵ月ぶりに前年同月を上回るものの、年末にかけて値上げは沈静化するとみられる。2024年の値上げ要因では、最も多いのが「原材料高」(92.7%)となった。年前半では割合が小さかったものの、チョコレートやコーヒーなど、猛暑や干ばつによる不作を理由に一部原料で価格上昇の影響がみられた。
食品分野別に 2024年10月の値上げをみると、PET飲料を中心とした「酒類・飲料」が全食品分野で最も多い1362品目となり、10月全体の46.8%を占めた。酒類・飲料が全食品分野で最多となるのは7月以来3ヵ月ぶり、1千品目を超えるのは23年10月以来1年ぶりとなる。「加工食品」(673 品目)ではハム・ソーセージ製品の多くで一斉値上げとなった。
「菓子」では10月値上げとなる237品目のうち半数超がチョコ関連製品で占められるなど、引き続きビーンショックの影響が及んだ。なお、足元ではコメ不足に伴う原料米の価格高騰を背景にパック米飯で一斉値上げといった動きもあるものの、11月以降は総じて落ち着いた推移が見込まれ、2024年通年の値上げは前年(3万2396品目)に比べて4割程度の水準となる1万3千品目以下での着地が想定される。
同調査結果は