マイナビが、2024年1~7月に中途採用を行った企業の人事担当者を対象に実施した「中途採用実態調査」結果(有効回答数1600人)によると、直近半年間(2024年1月~6月)における企業の人事担当者の中途採用の実施理由(複数回答)は、最も多かったのは「即戦力の補充」(48.1%)だった。次いで「退職者の増加(自己都合による欠員の増加)」(32.8%)、「既存事業の拡大」(32.3%)と続いた。
また、「物流の2024年問題」から半年が経過した[運輸・交通・物流・倉庫]では、「退職者の増加(自己都合による欠員の増加)」が42.5%で最多となり、前年から13.0ポイント増加した。2024年4月に始まった時間外労働の上限規制に対応するため、運輸・物流業界では積極的に人員獲得をしていたと考えられるが、半年が経った現在、入社した人材の定着について課題を持っている可能性が示唆された。
今後の中途採用意向は、「積極的(今後は積極的になる+今後はやや積極的になる)」は53.9%となり、「消極的(今後は消極的になる+今後はやや消極的になる)」の7.7%を大幅に上回った。業種別にみると[運輸・交通・物流・倉庫]は「今後は積極的になる」(21.7%)の回答が、全業種のうち最も多かった。退職者の増加などにより、人材不足が課題となる運輸・物流業界では、引き続き中途採用に積極的な様子がうかがえる。
中途採用担当者に対して、早期離職だと思う勤続年数を聞いたところ、平均値は「9.5ヵ月以内」となった。また、直近1年間(2023年6月以降)の転職活動経験者向けに行った調査によると、転職経験者のうち「9.5ヵ月以内」の離職を経験している人は、40.8%だった。一般的に3年以内が早期離職であると語られることが多い一方で、今回の調査では企業が認識する「早期離職」の期間が短縮していることがわかった。
前の職場を早期離職している求職者への印象は、「マイナスの印象」が70.1%となり、多数派となった。また、「マイナスの印象」と回答した人に対し、「客観的に納得できる背景があった場合、早期離職のマイナス印象はどうなるか」を聞いたところ、最多は「マイナスの印象はなくなるが、プラスの印象にはならない」が51.2%であり、「プラスの印象になる」10.3%と合計して61.5%が「マイナスの印象はなくなる」と回答している。
同調査結果は