日本商工会議所・東京商工会議所が発表した「中小企業におけるインボイス制度、電子帳簿保存法、バックオフィス業務の実態調査」結果(有効回答数3149者)によると、インボイス発行事業者への登録状況は、制度導入前、免税事業者だった事業者のうち、BtoB中心事業者では73.3%(「本則課税転換」22.6%、「簡易課税転換」50.7%)、BtoC中心事業者では24.9%(同9.5%、15.4%)がインボイス発行事業者登録を行っている。
約26%のBtoB中心事業者がインボイス登録を行わなかったが、その主な理由(複数回答)は、「新たな事務負担が発生」(57.1%)、「新たな税負担が発生」(47.1%)が多くを占め、「取引先からの要請がなかった」も34.3%あった。また、インボイス登録を行わなかった免税事業者のうち、BtoB中心事業者の64.0%が今後登録を検討、BtoC中心事業者の約7割(69.5%)が今後も申請を行わない意向を示している。
免税事業者からインボイス登録(課税転換)した事業者状況をみると、これらの事業者のうち、54.9%が減収したと回答。「変わらない」が41.3%で、「増収」は3.8%に過ぎない。また、免税事業者がインボイス登録した場合、納税額を売上税額の2割に軽減する特例措置(2026年9月末で終了予定)があるが、事業者の85.5%が2割特例を適用し、2割特例を適用した事業者の85.2%が「スムーズに消費税申告できた」と回答した。
制度導入後もほぼすべての免税事業者からの仕入等を継続する事業者は、74.0%だったが、今後も継続予定の事業者は47.1%にとどまる。また、制度導入により約半数(48.4%)がコストが増加、約8割(82.2%)が事務負担が増加と回答。増加したコスト(複数回答)は「既存システムの改修」(32.4%)、「税理士への顧問料」(25.0%)が多く、増加した事務負担(複数回答)は、「仕入れ先のインボイス登録状況確認」(66.0%)が最も多い。
なお、2024年1月から義務化された「電子取引におけるデータ保存」への対応状況は、規模が小さくなるほど「制度をよく理解できず未対応」の割合が(売上高「1億円超」19.8%から「1千万円以下」59.4%)高くなっている。改正電子帳簿保存法への対応について、「改ざん防止措置要件」と「検索機能確保要件」への対応については、ともに「制度を理解できず未対応」との回答が各53.4%、45.8%と最も多い。
同調査結果は