帝国データバンクが発表した「食品主要195社の価格改定動向調査」結果によると、主要な食品メーカー195 社における、家庭用を中心とした9月の飲食料品値上げは1392品目を数え、5ヵ月ぶりに1千品目を超えた。前年9月に多かった調味料の値上げは小規模だったものの、アイス・氷菓類では1年ぶりに一斉値上げとなったほか、チョコレートや冷凍食品などまとまった量の値上げが相次ぎ、年内の値上げとしては4番目の多さとなった。
ただし、値上げの沈静化傾向が強まった前年同月(2148品目)に比べると756品目少なく、9ヵ月連続で前年同月を下回った。また、1回あたりの平均値上げ率は9月単月で16%だった。2024年通年の値上げ品目数(予定含む)は11月までの累計で1万1872品目となり、年間の平均値上げ率は17%となった。10月は6ヵ月ぶりに2千品目を超える水準で推移、今年4月に次いで年内2番目に値上げ品目が多い「ラッシュ」となる。
2024年の値上げ要因では、最も多いのが「原材料高」(92.5%)となった。年前半では割合が小さかったものの、猛暑や干ばつ、流通ルートの制限により一部原料で価格上昇の影響を受けたことが要因となった。円安ドル高の影響が長期化していることを背景に、「円安」要因の値上げは29.6%を占めた。「人件費」由来の値上げは 27.2%を占め、23年通年(9.1%)を大きく上回る水準が続いた。
食品分野別に 2024年9月の値上げをみると、冷凍食品を中心とした「加工食品」が全食品分野で最も多い757品目となり、9月全体の約半数を占めた。みそ・しょうゆ製品やスパイス製品など「調味料」(193品目)は、前年同月(1257品目)に比べて1割強の水準にとどまった。「菓子」(169品目)ではラクトアイスなど「乳製品」(99品目)を含め冷菓製品で値上げラッシュとなった。
先行きでは、10月の食品値上げ予定品目数は3千品目前後の着地が予想される。10月としては2022年以降で最少となるものの、24年4月以来半年ぶりの値上げラッシュとなる。値上げを含めた価格設定は難しい局面を迎えており、24年通年の食品値上げ品目数は23年通年から半減となる1万5千品目前後が想定されている。
同調査結果は