代表者が交代した企業の平均年齢16.7歳若返る

 代表者の高齢化に伴い、スムーズな事業承継が経営上の重要課題に浮上している。東京商工リサーチが発表した2024年「代表者交代調査」結果によると、2023年から2024年に、代表者が交代した企業は全国で6万6862社だった。東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースに登録された約157万社の4.2%だった。代表者の交代前の平均年齢は71.1歳だったが、交代後は54.4歳と一気に16.7歳の若返りが進んだ。

 代表者交代の社数は、2014年から2019年は約21万社だったが、2019年から2024年は約26万社に増えており、代表者交代の時期に差し掛かっている企業が増加している。円滑な事業承継には十分な準備期間が必要で、代表者交代の判断は50歳代が一つのターニングポイントかもしれない。ただ、代表者交代のタイミングは企業個別の事情もある。代表者の年齢を視野に入れ、適切な交代時期を探ることも、スムーズな事業承継に欠かせない。

 代表者交代が判明した6万6862社を地区別でみると、最多が「関東」の36.9%、「近畿」13.7%、「中部」12.5%、「九州」10.6%と続き、最少は「四国」の3.0%だった。交代社数は企業数が多いエリアに比例する結果となった。全企業に対する代表者交代率は、最高が「北陸」の4.58%で、次いで、「関東」4.55%、「北海道」4.49%、「東北」4.27%の4地区が全国平均(4.24%)を上回った。一方、交代率の最低は、「四国」の3.55%だった。

 産業別で、最も代表者の交代が多かったのは、「サービス業他」で構成比35.1%だった。次いで、「建設業」が16.6%で続き、この2産業で半数を占めた。このほか、「製造業」12.5%、「卸売業」9.2%の順。一方、最も少なかったのは、「農・林・漁・鉱業」で2.00%、「金融・保険業」2.04%、「情報通信業」3.8%の順だった。全企業に対する代表者の交代率は、交代企業数では2番目に少ない「金融・保険業」が8.5%でトップだった。

 代表者の変更に伴う年齢の変化をみると、最多は「20~30歳」若返った企業が25.6%で、4分の1を占めた。次いで、「30~40歳」の若返りが17.2%、「10~20歳」の若返りが15.7%と続く。一方で、代表者の年齢が同じ、もしくは上昇した企業も14.1%あった。ただ、代表者交代は高齢化への対応が中心のため、全体では85.8%の企業で若返りが実現した。代表者交代により、平均年齢は71.1歳から54.4歳に16.7歳若返った。

 同調査結果は

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198874_1527.html