帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、7月の倒産件数は920件で、前年同月比は31.2%増の大幅増加となり、27ヵ月連続で前年同月を上回り、2000年以降で最長となった。7月としては、2013年(952件)以来、11年ぶりに900件を超えた。前月比では14.0%増。地域別では、2ヵ月ぶりに全9地域で前年同月を上回った。
一方、負債総額は7769億3100万円(前月1079億1800万円、前年同月1804億7000万円)となり、前月比では620.0%増、前年同月比でも330.5%増のともに大幅増加となり、5ヵ月ぶりに前年同月を上回った。7月の負債トップは、航空機製造を手がけていたMSJ資産管理(株)(旧:三菱航空機(株))(特別清算、東京都)の6413億円。MSJ資産管理(株)を除いた負債総額は、前年同月を下回った。
業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を上回った。『サービス業』(前年同月173件→240件、38.7%増)が最多、『建設業』(同139件→191件、37.4%増)、『小売業』(同152件→182件、19.7%増)が続いた。『サービス業』は、2009年6月(242件)に次いで、2000年以降で3番目に多かった。増加率でみると、『製造業』(同63件→121件、92.1%増)が最も高く、2015年6月(130件)以来約9年ぶりに120件超となった。
負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が542件(前年同月411件、31.9%増)で最も多く、全体の58.9%を占めた。次いで「1億円以上5億円未満」が189件(同150件、26.0%増)と、中小零細規模の倒産が目立ったが、「100億円以上」の倒産が4ヵ月ぶりに発生した。資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が668件(同490件、36.3%増)となり、全体の72.6%を占め、過去最高だった2021年11月(72.6%)に並んだ。
地域別にみると、2ヵ月ぶりに全9地域で前年同月を上回った。最も件数が多かったのは、『関東』(前年同月252件→278件、10.3%増)で、特に「千葉」(同16件→32件、100.0%増)が倍増した。『近畿』(同170件→251件、47.6%増)は、「滋賀」(同3件→20件、566.7%増)が大幅に増加した。「滋賀」では小規模企業の倒産増加が目立ち、2009年6月(32件)以来、約15年ぶりの高水準となった。
同倒産状況の概要は