新型コロナウイルス感染症の感染防止対策をきっかけのひとつとして、時差出勤やテレワークの積極的な活用が推奨されてきた。2023年5月の「5類」への変更以降、働き方にはどのような変化が生じているだろうか。日本生産性本部が発表した「働く人の意識に関する調査」結果(有効回答数1100人)によると、テレワークの実施率は16.3%で過去最低となった前回1月調査(14.8%)から微増となった。
現在、自身が行っている働き方(複数回答)について、前回1月調査と比べて、「自宅での勤務」(在宅勤務)は11.3%から13.4%にわずかに増加、「サテライトオフィス、テレワークセンター等の特定の施設での勤務」は3.5%から2.6%にわずかに減少、「モバイルワーク」は2.6%から2.8%にわずかに増加したが、いずれも統計的有意差はない。「特にない」は66.7%から67.8%に微増した。
柔軟な働き方のうち、一般に「自宅での勤務」や「サテライトオフィス、テレワークセンター等の特定の施設での勤務」、「モバイルワーク(特定の施設ではなく、カフェ、公園など、一般的な場所を利用した勤務)」を総称して「テレワーク」と言うが、テレワークの実施率は過去最低だった前回1月調査の14.8%から微増し、16.3%となった。2023年1月調査から減少が続いていたが、増加に転じた。
従業員規模別のテレワーク実施率は、1001名以上の勤め先では前回1月調査の29.4%から26.7%へと減少。一方で、100名以下は9.4%から10.9%に微増、101~1000名では13.4%から 17.7%へと増加。これまでテレワークの実施率は、大企業や中規模企業がけん引してきたが、前回1月調査にて増加した大企業は今回わずかに低下したものの、中規模企業、小規模企業の実施率が増加したことで、全体のテレワーク実施率が16.3%となった。
テレワーカーの週当たり出勤日数は、「3日以上」出勤する者は前回1月調査の50.3%から57.0%に増加した。前回1月調査と比べると、「0日」が18.4%から16.2%へと統計的有意ではないものの減少している。テレワークの大多数を占める自宅での勤務について、効率の向上を質問したところ、「効率が上がった」、「やや上がった」の合計は、前回1月調査の 70.2%から78.9%へと増加し、過去最高となった。
同調査結果は
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/15th_workers_report.pdf