2024年の食品値上げ、今秋に値上げラッシュの見通し

 帝国データバンクが発表した「食品主要195社の価格改定動向調査」結果によると、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした2024 年通年の飲食料品値上げ品目数の累計は、11月までの予定分で1万86品目にのぼった。年間で1万品目突破は、調査を開始した22年以降3年連続。23年の値上げ予定品目で1万品目到達が判明したのは同年1月だったのに比べ、24年分では同年6月と前年より5ヵ月遅いペースだった。

 平均値上げ率は17%だった。食品分野別では冷凍食品など「加工食品」が最多の4519 品目で、PETボトル飲料など「酒類・飲料」(2624品目)、しょうゆ製品など「調味料」(1383品目)が続いた。2024 年の値上げ要因では、足元で急速に進んだ「円安」の影響が広がっている。24年(1~11月)に予定される値上げ品目のうち、「円安」要因の値上げは品目数ベースで29.8%となり、前年の同時期(11.6%)に比べて約3倍の水準に拡大した。

 要因として最も大きい「原材料高」は91.7%を占め、特に春以降の値上げで原材料高の影響が広がった。猛暑や干ばつなど天候不順による不作により、カカオ豆やコーヒー豆、オリーブ、オレンジなどの輸入果汁で価格高騰が目立った。「包装・資材」(67.0%)は、食品トレー容器などで値上げが相次いでいることを背景に、値上げ要因に占める割合は上昇傾向が続いている。

 2024年7月の飲食料品値上げは411品目を数えた。3千品目を超える大規模な値上げラッシュとなった前年同月(3595品目)に比べ、3184品目・88.6%減と7ヵ月連続で前年同月を下回ったほか、3ヵ月連続で1千品目以下の水準にとどまった。7月単月における値上げ1回あたりの平均値上げ率は14%だった。2024年7月の値上げは「酒類・飲料」が全食品分野で最も多い199品目だった。

 「酒類・飲料」は、輸入ワインなど洋酒のほか、コーヒー製品が値上げとなった。「菓子」(75品目)は、6月に続きチョコレート製品の値上げが目立ったほか、米菓やスナック菓子製品で値上げの対象となった。「パン」(37品目)は、輸入レーズンやチョコレートの価格高騰を受け、一部製品で1年ぶりの値上げとなった。以上、2024年は、コストプッシュ型の値上げが再燃し、今秋に値上げラッシュの見通しだ。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p240610.pdf