2023年度の精神障害の労災申請は過去最多の3575人

 仕事上のストレスが原因でうつ病などの精神障害等を発症し、2023年度に労災申請した人は、前年度に比べ892人多い3575人となり、過去最多だったことが、厚生労働省が発表した2023年度における過労死等の労災補償状況で分かった。うち未遂を含む自殺者は同29人増の212人。また、業務上の労災として認定された人は、前年度を173人上回る過去最多の883人、このうち未遂を含む自殺者は同12人増の79人だった。

 労災申請者について、業種別(大分類)にみると、「医療・福祉」が888人で最多、次いで、「製造業」499人、「卸売業、小売業」491人の順に多い。職種別(大分類)にみると、プログラマーなどの「専門的・技術的職業従事者」が990人で最多、次いで、「事務従事者」782人、「サービス職業従事者」579人など。年代別では、「40~49歳」が712人で最も多く、次いで「50~59歳」が589人、「30~39歳」が580人で続いた。

 認定を受けた883人の発症の原因は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が157人(うち自殺10人)で最多、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」111人、「セクハラを受けた」103人、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」100人、心理的な負荷が極度なものなど「特別な出来事」が71人、「同僚等から暴行またはひどいいじめ・嫌がらせを受けた」59人(同1人)だった。

 一方、過労による脳・心臓疾患で労災を請求した人は、前年度に比べ220人多い1023人で、2年連続の増加。業務上の労災として認定を受けた人は同20人多い214人で、2年連続で増加し、うち過労死は同2人多い56人だった。労災認定者を業種別(大分類)にみると、「運輸業、郵便業」が75人、「卸売業、小売業」が29人、「宿泊業、飲食サービス業」が25人、「建設業」が23人の順に多い。

 また、労災認定者についてみると、職種別(大分類)は、「輸送・機械運転従事者」が67人で最多、次いで「サービス職業従事者」が29人、「専門的・技術職業従事者」が22人など。年齢別では、「50~59歳」が96人(うち死亡28人)、「60歳以上」が53人(同12人)「40~49歳」が52人(同13人)など。1ヵ月平均の残業時間は、「80時間以上100時間未満」が59人(同14人)、「100時間以上120時間未満」が45人(同12人)などだった。

 同労災補償状況については

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40975.html