土地白書、サステナブルな土地利用等に向けた取組み

 国土交通省は18日、同日閣議決定された2024年版の土地白書を公表した。本年の白書は、サステナブル(持続可能)な土地利用・管理に向けた取組みについて取り上げている。土地白書は、土地基本法(1989年法律第84号)第11条第1項及び第2項の規定に基づき、土地に関する動向及び政府が土地に関して講じた基本的な施策並びに土地に関して講じようとする基本的な施策について、毎年国会に報告しているもの。

 2024年版の土地白書は、第1部から第3部までの構成となっている。第1部では、2023年度における地価をはじめとする土地に関する動向、土地問題に関する国民の意識調査結果、サステナブル(持続可能)な土地利用・管理に向けた取組みについて報告。第2部では、2023年度に政府が土地に関して講じた基本的施策について報告。第3部では、2024年度に政府が土地に関して講じようとする基本的施策について報告している。

 土地に関する動向では、地価公示は、全国全用途平均・住宅地・商業地のいずれも3年連続で上昇し、上昇率が拡大。三大都市圏では上昇率が拡大し、地方圏でも上昇率が拡大傾向となるなど、上昇基調を強めている。土地取引件数は、ほぼ横ばいで推移。土地の資産性に対する国民の意識は「土地は預貯金や株式などに比べて資産として有利」とする割合が低下傾向。オフィスビルの賃料及び空室率はほぼ横ばいだったと報告。

 サステナブル(持続可能)な土地利用・管理に向けた取組みでは、これまでは、人口増加を前提に、農地等から宅地への土地利用転換が行われるとともに、敷地が細分化していたが、人口減少社会のもと、土地利用転換等を通じたサステナブルな土地利用・管理の取組みが広がりつつあると指摘。例えば、地域における空き地等の広場、緑地としての利活用として、空き地等を広場や緑地として整備されるなどの例がある。

 また、空き家対策と空き地対策の一体的・総合的推進として、市街地では空き家と所有者不明土地等が混在し、対策の連携が必要なことから、推進体制の整備、活用・管理の実施、所有者探索等に関する自治体等への支援を一体的・総合的に推進。そのほか、未利用の放棄林のオープンスペース化(にぎわいの森)で、未利用の放棄林地を活用し、庁舎や商業施設等を整備する際に、自然環境を活かした緑地空間を創出するなどの例を報告。

 さらに、土地の管理水準の低下への対応として、中山間地域等における土地の管理維持へ取り組み、地域管理構想は、優先的に維持したい土地や管理方法を「管理構想図」として地図化、作成過程では、地域住民が話合いに参加し、地域資源や課題、将来像、具体的な取組等を検討・共有し、また、今後の農地利用に係る地域ぐるみの話合いや鳥獣被害対策など、荒廃農地の発生防止・解消に向けた取組みの実施などを報告している。

 2024年版の土地白書は

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001748627.pdf