「16歳未満の扶養親族」は月次減税額の計算に含めるか

 扶養控除等申告書を提出している給与所得者の定額減税額の控除の月次減税は、2024年6月1日以後最初に支払を受ける給与等(賞与を含む)に係る源泉徴収税額から控除する(6月1日において主たる給与の支払を受ける人が対象)。源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の合計額(控除前税額)から月次減税額を控除する。控除しきれない部分の金額については、以後2024年中に支払う給与等に係る控除前税額から順次控除する。

 ところで、基準日在職者の提出した扶養控除等申告書(住民税に関する事項)に氏名等が記載されている「16歳未満の扶養親族」のうち、居住者である人は月次減税額の計算に含めることとされている。その16歳未満の扶養親族が他の給与所得者が提出する扶養控除等申告書(住民税に関する事項)において扶養親族として記載されている場合には、いずれかの給与所得者の定額減税額の計算に含めることとされている。

 また、扶養控除等申告書(住民税に関する事項)の「退職手当等を有する配偶者・扶養親族」欄に記載された16歳未満の扶養親族については、その扶養控除等申告書に記載された2024年中の所得金額の見積額には退職所得を含んでいないので、その扶養親族の2024年中の退職所得を含んだ所得金額の見積額を基準日在職者に別途確認し、月次減税額の計算に含めるべき扶養親族か否かを判定することになる。

 「16歳未満の扶養親族」について、所得税の計算に影響しないことから、扶養控除等申告書に記載していない従業員がいる場合があるが、給与の支払者は、基準日在職者から6月1日以後最初の給与等の支払日の前日までに提出された扶養控除等申告書に記載された扶養親族を、月次減税額の計算に含めることになり、この申告書に記載された扶養親族には、「住民税に関する事項」に記載された16歳未満の扶養親族も含むこととされている。

 したがって、基準日在職者は、6月1日以後最初の給与等の支払日の前日までに扶養控除等申告書の「住民税に関する事項」に16歳未満の扶養親族を記載して、再提出することで、その扶養親族を月次減税額の計算に含めることができる。なお、扶養控除等申告書の再提出に代えて、「源泉徴収に係る申告書」を提出することによっても、16歳未満の扶養親族を月次減税額の計算に含めることができる。

 この場合には、年末調整の際にその16歳未満の扶養親族を「年末調整に係る申告書」へ記載して提出する必要がある(扶養控除等申告書の「住民税に関する事項」に記載していれば、異動がない限り、年末調整の際に申告書を提出する必要はない)。