5月の企業倒産件数は1016件、12年ぶりの1000件超

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、5月の倒産件数は1016件で、前年同月比は46.4%増となり、25ヵ月連続で前年同月を上回った。前月比では33.7%増。2012年5月(1013件)以来、12年ぶりに1000件を超えた。前年同月より322件多く、増加数はリーマン・ショック直後の2008年9月(337件増)に次ぐ2番目の多さだった。

 一方、負債総額は1260億9700万円(前月946億円、前年同月2797億4000万円)となり、前月比では33.3%増だったものの、前年同月比では▲54.9%の大幅減少となり、3ヵ月連続で前年同月を下回った。負債規模別では、「5000万円未満」が624件で、2000年以降で最多となった。5月の負債トップは、児童教育・療育施設運営などを行っていた(株)コペル(民事再生法、福岡県)の69億円だった。

 業種別にみると、全7業種で前年同月を上回った。『サービス業』(前年同月159件→244件、53.5%増)が最多、『小売業』(同150件→224件、49.3%増)、『建設業』(同136件→190件、39.7%増)が続いた。『サービス業』は2009年6月(242件)を超え、2000年以降で最多。『運輸・通信業』(同27件→54件、100.0%増)は前年同月から倍増、2012年11月(50件)以来約11年6ヵ月ぶりの50件台となった。

 負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が624件(前年同月405件、54.1%増)で最も多く、全体の61.1%を占めた。2012年2月(557件)を超え、2000年以降で最多となった。次いで「5億円未満」が196件(同147件、33.3%増)で続き、中小零細規模の倒産が目立った。資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が722件(同467件、54.6%増)となり、全体の71.1%を占めた。

 地域別にみると、全9地域で前年同月を上回った。『関東』(前年同月267件→367件、37.5%増)がトップ。「東京」(同126件→208件)で大幅に増加し、件数を押し上げた。『近畿』(同157件→243件、54.8%増)は、「大阪」(同80件→133件)や「京都」(同17件→32件)の増加もあり、2ヵ月ぶりに200件超えとなった。このほか、『中部』(前年同月88件→125件、42.0%増)は、3ヵ月連続で100件を超えた。

 同倒産状況の概要は

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/pdf/2405.pdf