2023年度バイト年間平均時給は30円増加の1125円

 リクルートのジョブズリサーチセンターが発表した「アルバイト・パート募集時平均時給調査」結果によると、2023年4月~2024年3月の募集時平均時給は、1143~1192円の間で推移し、2022年度と比べて30円増加の1125円となった。例年は、12月にかけて上昇し年明け以降少し落ち着く傾向があるが、2023年度は年明け以降も高い水準となった。前年同月増減率も12月までは3%未満を推移していたが、年明け以降は3%超となっている。

 平均時給上昇の要因として最低賃金改定の影響は大きいとみている。2023年10月に改定された最低賃金は、全国加重平均で43円引き上げられ、1004円となった。引き上げ額43円は最低賃金が時給で示されるようになった2002年以降最大。加えて、年明け以降は春闘の影響も受けていると考えられ、2024年2月度には過去最高を更新する1151円(前年同月比+4.5%)となった。

 アルバイト・パート募集時平均時給はどの月も首都圏が最も高く、関西、東海と続く。2024年3月の前年同月比は、首都圏で+4.1%、関西では+2.7%、東海では+3.9%で、いずれも2023年3月より高くなっている。特に、直近11月以降の東海の伸びが大きく、関西との平均時給の差を縮めている。各エリアの産業構造や、物価、人材不足感、最低賃金などが、このような違いに影響していると推測される。

 職種別にみると、販売・サービス系やフード系では時給1000~1100円台がそれぞれ約30%と集中しており、それより右側がなだらかな山形のグラフになっている。製造・物流・清掃系も同じようなグラフの形になっているが、1000~1100円台は約20~30%と比較的少なくなっている。900円台は数%で、10~20%程度だった昨年と比較して減少した。最低賃金の改定が大きく影響していると考えられる。

 事務系、営業系、専門職系は、1000~1200円台が最も多くなっているが、グラフの形はなだらかで、時給がより分散していることがわかる。特に専門職系では、2000円以上の求人も7.1%あった。専門職系の募集時平均時給は、1319~1388円の間で推移した。他の職種と比べて、募集時平均時給は高くなっている。前年同月増減率は12月まで落ち着いていたが、年明け以降は+5%程度に上昇した。

 同調査結果は

https://jbrc.recruit.co.jp/data/pdf/nenkan_heichin_20240524.pdfl