コロナ5類移行後に意欲高まる新規顧客・販路の開拓

 大同生命が発表した「新規顧客・販路の開拓/日銀のマイナス金利政策解除に関する調査」結果(有効回答数8230社)によると、新規顧客・販路の拡大に「取り組んでいる」と回答した企業は55%となった。また、2023年5月(新型コロナ5類移行時)と比べ、新規顧客・販路の開拓への意欲が「高まった」とした企業は約4割(「大いに高まった」10%、「やや高まった」27%)、一方で意欲が「低下した」企業は5%にとどまった。

 新型コロナが5類移行された2023年5月以降に取り組んだ施策及び効果的だった施策(複数回答)は、「市場・顧客ニーズの情報収集・調査分析」がともに最も多い回答(39%、27%)となった。次いで、「新しい商品・サービスの開発」(31%、20%)が続いた。また、「効果を感じた施策」の上位4項目について、「製造業」、「卸・小売業」では「新しい商品・サービスの開発」、「建設業」では「従業員教育の強化」なども多くなった。

 顧客数の変化は、2023年5月(新型コロナ5類移行時)と比べ、顧客数が「増加した」と回答した企業は29%となった。業種別にみると、新型コロナの影響が大きかった「宿泊・飲食サービス業」では「増加した」が64%と飛びぬけて高く、次いで「情報通信業」(42%)、「教育・学習支援業」(39%)、「医療・福祉業」(38%)が続いた。新規顧客・販路の開拓に取り組んでいる企業では、顧客数が「増加した」とする回答が40%となった。

 売上の変化をみると、2023年5月(新型コロナ5類移行時)と比べ、売上が「増加した」と回答した企業は35%。業種別にみると、「宿泊・飲食サービス業」では「増加した」が62%と高くなった。また、売上に占める「新規顧客・販路」の割合は、理想とする水準と比べてギャップがあり、「新規顧客・販路の開拓」が十分に進んでいない状況がうかがえる。業種別では、各業種とも理想とする水準と比べると低くなっている。

 日銀のマイナス金利政策解除がもたらす経営への影響は、「ほとんど影響がない」と回答した企業は46%。一方、「マイナスの影響がある」企業は28%となった。企業からは、「マイナス金利が異常だったので、正常に戻り日本経済が活性化することを期待する」(運輸業/東北)や、「基本的には賛成。いつまでもマイナス金利でやるわけにはいかない。ただ企業としては金利が高すぎるのも困る」(製造業/東海)といった声が寄せられた。

 同調査結果は

https://www.daido-life.co.jp/company/news/2024/pdf/240527_news.pdf