母親の有職割合、9年前より5.4ポイント上昇

 厚生労働省が公表した「21世紀出生児縦断調査(2010年出生児)」の第13回(2023年)の結果によると、母の有職割合は81.8%と、2001年出生児調査(2013年実施)の76.4%に比べて5.4ポイント高くなった。同調査は、2010年出生児を毎年追跡調査するもので、今回対象は13歳(中学1年)。母が有職の割合は、出産1年前の61.8%が第1回調査で35.3%に低下したが、その後は年々上昇し、今回調査(中学1年生)では81.8%となった。

 母の就業状況の変化をみると、「勤め(常勤)」の割合は、第4回調査(3歳6ヵ月)の 23.7%から第13回調査(中学1年生)の31.1%までゆるやかな上昇傾向であり、「勤め(パート・アルバイト)」の割合は、第1回調査(出産半年後)の5.7%から年々上昇し、第13回調査(中学1年生)では 43.8%となっている。また、2010年出生児の各回における母が有職の割合は、2001年出生児に比べていずれも高くなっている。

 出産1年前の就業状況が「勤め(常勤)」の母について、第1回調査から第13回調査までの就業状況の変化をみると、2010年出生児の各回における「勤め(常勤)」の母の割合は2001年出生児よりも高い割合で推移し、さらに、第1回調査から第13回調査まで継続して「勤め(常勤)」の母の割合は2010年出生児では33.4%で、2001年出生児の24.4%に比べて9.0ポイント高くなっている。

 また、子どもの状況について、家庭での会話は、2010年出生児について、母、父と会話をする(「よくする」、「ときどきする」)割合は、「学校のできごとについて」が母89.7%(「よくする」60.1%、「ときどきする」29.6%)、父61.4%(「よくする」24.9%、「ときどきする」36.4%)と最も高く、次いで母では「友達のことについて」が85.4%、父では「友達のことについて」、「勉強や成績のことについて」が 53.0%と高くなっている。

 子ども自身が考える将来(進路、結婚、最初の子どもを持つ時期)は、男児・女児ともに「具体的にはまだ考えていない」の割合がそれぞれ40.9%、38.1%で最も高い。また、「具体的にはまだ考えていない」以外の回答をみると、「進路」では「大学卒業後に働くことを考えている」、「結婚」では「25~29歳でしたいと考えている」、「最初の子どもを持つ時期」では「25~29歳で持ちたいと考えている」が、男児・女児ともに高くなっている。

 2010年出生児について、将来就きたい職業が決まっている子どもの割合は43.7%と、2001年出生児の47.9%と比べて、4.2ポイント低くなっている。さらに、将来「就きたい職業が決まっている」と答えた子どもについて、子どもがその職業に就きたい理由と、保護者が子どもに将来就いて欲しい職をそれぞれみると、男児・女児ともに「自分の興味や好みにあっているから」(子ども)・「子ども自身が望む職」(保護者)の割合が最も高くなっている。

 同調査結果の概況は

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/22/dl/gaikyo.pdf