厚生労働省が全国の従業員30人以上の企業・団体を対象に実施した「職場のハラスメントに関する実態調査」結果(有効回答数 7780社、8000人)によると、過去3年間に各ハラスメントの相談があった企業割合は、高い順に「パワハラ」(64.2%)、「セクハラ」(39.5%)、「顧客等からの著しい迷惑行為」(27.9%)、「妊娠・出産・育児休業等ハラスメント」(10.2%)、「介護休業等ハラスメント」(3.9%)、「就活等セクハラ」(0.7%)だった。
顧客等からの著しい迷惑行為に該当すると判断した事案があった企業における事案の内容(複数回答)としては、「継続的な、執拗な言動」(72.1%)が最も高かった。行為者と被害者の関係では、「顧客等(患者又はその家族等を含む)から自社従業員へ」(91.6%)の行為が最も多く、9割以上を占めている。損害や被害の内容としては、「通常業務の遂行への悪影響」(63.4%)が最も多かった。
また、就活等セクハラに該当すると判断した事案があった企業における事案の内容(複数回答)としては、「性的な冗談やからかい」(45.0%)が最も高かく、行為者については、「インターンシップを担当した自社従業員」(38.1%)が最も多かった。ハラスメントに関する雇用管理上の措置の実施状況(複数回答)は、いずれのハラスメントにおいても企業規模が大きいほど取組みを実施している割合が高かった。
一方、労働者等調査結果によると、過去3年間に勤務先で「パワハラ」、「セクハラ」、「顧客等からの著しい迷惑行為」を受けた割合は、それぞれ19.3%、6.3%、10.8%だった。また、顧客等からの著しい迷惑行為を一度以上経験した割合については、接客頻度が高いほど、経験した割合が高く、業種別にみると「生活関連サービス業、娯楽業」(16.6%)、「卸売業、小売業」(16.0%)、「宿泊業、飲食サービス業」(16.0%)の順で高かった。
パワハラ、セクハラを受けた後の行動としては、「何もしなかった」(それぞれ36.9%、51.7%)が最も多く、顧客等からの著しい迷惑行為については、「社内の上司に相談した」(38.2%)が最も多かった。また、勤務先におけるハラスメントの予防・解決に向けた取組みへの評価が高いほど、「社内の同僚に相談した」や「社内の上司に相談した」等の割合が高く、「何もしなかった」の割合が低かった。
勤務先によるハラスメントの認識は、「認識していた」がパワハラでは37.1%、セクハラでは23.9%と半数を下回る一方で、顧客等からの著しい迷惑行為については59.2%と半数を上回っていた。ハラスメントを知った後の勤務先の対応は、パワハラとセクハラでは「特に何もしなかった」が最も高く(それぞれ53.2%と42.5%)、顧客等からの著しい迷惑行為では「要望を聞いたり、問題解決のために相談にのってくれた」(39.2%)が最も高かった。
同調査結果は