採用難により、採用後の早期離職者が企業に与えるインパクトが大きくなっている。入社前に相互理解を深め、ミスマッチを防ぐことは、人事担当者にとって大きな課題といえるだろう。そこでマンパワーグループでは、企業の人事担当者を務める20代~50代の男女400名を対象に「新卒採用におけるミスマッチの状況調査」をしたところ、新卒採用におけるミスマッチは8割超にのぼることが分かった。
調査結果によると、新卒採用で、うまくいかなかったこと・ミスマッチだったこと(複数回答)は、「特にない」(17.5%)は2割弱に過ぎず、全体の8割超が、新卒採用を行ったあとにミスマッチだったことがあるようだ。ミスマッチの内容(複数回答)は、「配属先のメンバーや上司との相性が良くなかった」(37.0%)、「仕事に対する意欲に問題があった」(36.8%)、「本人の期待と実態にギャップが生じた」(36.3%)の順となった。
また、「必要とされる経験やスキルが足りなかった」(30.3%)、「採用した人の価値観と社風が合わなかった」(27.8%)も3割前後となっている。ミスマッチの結果、起きてしまったこと(複数回答)は、「特に何も起きなかった」はわずか6.4%であり、全体の9割以上に、何らかの問題が起きていることが分かる。具体的に発生した問題(複数回答)としては、「採用した人が早期退職した」(57.9%)が最も多く、約6割を占めている。
次いで、「採用した人を配置転換した」(31.2%)、「配置先の人間関係が悪くなった」(25.2%)、「追加採用を行った」(23.6%)などが続き、対応業務が増加していることがうかがえる。また、オンライン中心、夜勤にシフトなど「採用した人の働き方を変更した」(18.8%)、「採用した人に研修を行った」(16.7%)など、働き方を調整したり、予定になかった研修を実施したりするなどのケースも2割弱を占めた。
厚生労働省が発表した「令和2年3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況」によれば、就職後3年以内の離職率は、新規大学卒就職者が32.3%となっており、前年よりも0.8ポイント上昇している。転職に対する抵抗感が薄れている今の時代、いかにミスマッチを防ぐかが重要だ。選考過程や内定時だけでなく、入社後の適切な配属先の決定や教育・フォロー体制の構築なども、長く定着してくれる人材を増やすための大きな課題といえる。
同調査結果は