24年度は中小企業の新卒採用意欲が拡大している様子

 商工中金が取引先中小企業を対象に実施した「中小企業の人材確保に関する調査」結果(有効回答数4329社)によると、中小企業では、今後の人口減少による担い手不足の具体的な対策(3つまで回答)として、「正社員の採用活動の強化、採用対象層の拡大」(37.2%)、「定年の引上げ、シニア人材の再雇用による労働力の確保」(35.5%)を実施している割合が高く、採用活動や雇用延長による労働力の確保に注力していることが分かった。

 新卒採用については、2023年度から2024年度にかけて、「募集は行わない」の割合が前年度から3.8ポイント減の45.4%と縮小しており、中小企業の新卒採用意欲が拡大している様子がうかがえる。中途採用については、2023年度から2024年度にかけて、「募集は行わない」の割合が同1.2ポイント増の19.35と微増。ただし、中途採用は新卒採用に比べて高い割合で募集を行っており、中小企業においては即戦力を求めている傾向が見られる。

 これまで実施したことがある募集の方法(複数回答)は、「ハローワーク」(82.5%)が最も多く、次いで、「就職情報サイト、就職情報誌」(64.6%)、「自社ホームページ、貼り紙・ポスターなどでの募集」(51.2%)。また、「自社従業員からの紹介による採用(リファラル採用)」(46.4%)や「経営者や役員の家族、親族、取引先からの紹介(縁故採用)」(27.7%)といった紹介を利用した採用についても一定の割合で実施されている。

 人材の確保に役立った方法(複数回答)は、「就活情報サイト、就活情報誌」(36.4%)や「人材紹介エージェント(新卒・中途)」(32.6%)など外部機関(サイト、誌面、事業者)を活用した方法が効果的とする割合が高い。人材が定着した方法(複数回答)では、「自社従業員からの紹介による採用」(35.9%)や「経営者や役員の家族、親族、取引先からの紹介」(33.3%)など、紹介経由での採用に高い効果を実感している様子がうかがえた。

 なお、新卒・中途とも、募集を行い予定通り採用できた企業では、複数種類の募集を行っている割合が高い。一方、新卒・中途とも採用ができていない企業では、限定的な募集方法にとどまっている割合が高く、手数が少ないことも一因となっている可能性がある。また、新卒・中途採用とも4人以上の採用では、概ね年商規模に比例して、人材確保につながっている比率が高まっていることがうかがえた。

 同調査結果は

https://www.shokochukin.co.jp/report/data/assets/pdf/futai202401.pdf