日銀の追加利上げは24年9月の見通し~信金中金

 信金中央金庫が発表した金利・為替見通しによると、4月会合でも、FRB(米連邦準備理事会)とECB(欧州中央銀行)はともに政策金利を据え置いた。ただ、ECBが6月からの利下げ開始を示唆したのに対し、FRBはインフレ率の高止まりなどを受けて先送りの可能性に言及するなど金融政策の先行きスタンスには違いもみられる。また、FRBは今回会合で6月から量的引締め(QT)のペースを減速させることを決めている。

 こうしたなか、日銀は政策金利である無担保コール翌日物レートを0~0.1%程度で推移するように促す金融政策の維持を決めている。4月も急ピッチで円安・ドル高が進んだ。堅調な米経済指標や、中東情勢の緊迫化に伴う原油高などで米利下げ先送り観測が強まったことに加え、日銀が追加利上げを見送ったことも相まって、日米金利差の拡大が意識され、円売り・ドル買いにつながった。

 その後、1ドル160円台まで円安が加速した月末のタイミングで、政府・日銀が円買いの為替介入に踏み切ったとの観測が高まり、いったん大きく円高に振れる局面があったものの、流れを変えるまでには至っていない。ECBは政策金利を比較的長い期間にわたって高い水準で据え置いた後、欧州経済が減速感を強めていく中で、24年6月から緩やかな利下げ(3ヵ月に1回のペース)に転じると見込んでいる。

 半面、米国経済は底堅い動きを続けており、FRBの想定通りにインフレ率が低下していないことから、利下げ開始の時期は24年9月以降にずれ込むと予想。日銀は24年3月に金融政策の正常化に踏み切った後、24年9月に追加利上げ(0.25%)に踏み切るとみている。こうした日米の金融政策のスタンスの違いから、先行き日米金利差は縮小し、円高・ドル安トレンドへの転換が見込まれるが、円安修正は限定的なものにとどまるとの考えだ。

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https://www.scbri.jp/reports/interestrate/20240502-24-6ecbfrb924-9.html