今夏ボーナス、3年連続での増加を予想~三菱UFJ

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した2024年夏のボーナス見通しによると、厚生労働省「毎月勤労統計調査」ベースで見た民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)の2024年夏のボーナスは、一人当たり平均支給額は40万8770円(前年比+2.9%)と3年連続での増加を予想した。企業規模を問わず、製造業、非製造業とも一人当たり平均支給額は、昨年2023年にすでにコロナ前のピークを回復している。

 コロナ禍での落込みからの反動増による押上げ効果は概ね一巡した。それでも、今年の夏のボーナスが順調な増加を続けるとみられる背景に、企業業績と雇用情勢の堅調さがある。企業の経常利益(全規模、金融保険業を除く全産業、季節調整値)は、2020年中盤以降、増加傾向が続き、2023年4~6月期には過去最高を更新した。足元では2四半期連続で減少したものの、減少は小幅であり、過去最高に近い水準を維持している。

 その結果、企業の内部留保(利益剰余金)は、大企業を中心に増加が続いており、2023年末時点で571兆円と、過去最高金額を更新した(財務省「法人企業統計」より)。また、経済活動の回復とともに人手不足は深刻さを増し、労働需給は逼迫。日銀短観・雇用人員判断DIは対面型サービス業を中心に大幅な「不足」超が続き、企業の人手不足感が強まる中、完全失業率は2021年1月以降、2%台の低水準での推移が続いている。

 支給労働者割合(労働者の総数に対して、ボーナスが支給される事業所で働く労働者が占める割合)は2年ぶりに上昇し、80.1%(前年差+0.1%ポイント)となると見込まれる。コロナ前2019年の水準を回復できないものの、雇用者数が過去最多を記録していることから、ボーナスが支給される労働者数は4094万人(前年比+1.5%)と、非製造業を中心に増加し、昨年に続き2年連続で過去最多を更新する公算が大きい。

 一人当たりボーナス支給額と支給労働者数の増加を反映した2024年夏のボーナスの支給総額(一人当たり支給額×支給労働者数)は、16.7兆円(前年比+4.4%)と3年連続で大きめの増加が見込まれる。ボーナスの支給総額の伸びは、物価上昇率(消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は、直近2024年2月に前年比+3.3%を記録、2023年通年では同+3.8%)を上回り、個人消費の回復を下支えすることが期待される。

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