東京商工リサーチがこのほど発表した新型コロナ関連の倒産状況によると、3月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円以上)が312件(前年同月比▲4.8%減)判明した。今年1月から3ヵ月連続で前年同月の件数を下回ったが、月間件数は2023年3月の328件に次ぐ過去2番目の高水準だった。これまでの累計は8809件(倒産8569件、弁護士一任・準備中240件)となった。
倒産集計の対象外となる負債1000万円未満の小規模倒産は累計419件判明。この結果、負債1000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計で9228件に達した。国内の企業数(358万9333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.257%で500社に1社が破たんした計算となる。脱コロナが進む一方で、業績回復が見出せずにコロナ禍の後遺症に苦しむ企業は多い。
都道府県別でみると、「東京都」が1794件と全体の2割強(構成比20.3%)を占め、突出している。以下、「大阪府」827件、「福岡県」489件、「愛知県」441件、「兵庫県」400件、「神奈川県」371件、「北海道」363件、「埼玉県」299件と続く。300件超えが7都道府県、200件~300件未満が6府県、100件~200件未満も7県に広がっている。一方、10件未満はゼロで、最少は「鳥取県」の20件だった。
業種別では、コロナ禍での来店客の減少に加え、食材や光熱費高騰の負担も重い「飲食業」が最多で1439件に及ぶ。客足は戻っても売上の回復に至らず、経営体力の消耗による破綻や、あきらめ型が多い。次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた「建設業」が1068件に達した。このほか、小売店の休業が影響した「アパレル関連(製造、販売)」の626件、飲食業などの不振に引きずられた「飲食料品卸売業」の352件などが上位を占めている。
負債額が判明した8748件の負債額別では、「1千万円以上5千万円未満」が最多の3421件(構成比39.1%)、次いで「1億円以上5億円未満」が2688件(同30.7%)、「5千万円以上1億円未満が1789件、「5億円以上10億円未満」が451件、「10億円以上」が399件の順。負債1億円未満が5210件と約6割を占める。一方、100億円以上の大型破たんも23件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。
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