24年度新入社員「セレクト上手な新NISAタイプ」

 産労総合研究所は、「2024年度新入社員のタイプ」を発表した。これは、企業の人事担当者、大学のキャリアセンター担当者等から成る「新社会人の採用・育成研究会」が、同所調査の「2024年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」や採用・就職支援活動等を踏まえて、今年の新入社員の特徴と育成のヒントをまとめたもの。それによると、今年の新入社員は、自分の未来は自分で築く「セレクト上手な新NISAタイプ」とした。

 その特徴について、今年の新入社員は、デジタルに慣れ親しんでいる一方で、対面コミュニケーションの経験に乏しく、「仲間」以外の世代との距離感に戸惑う面がある。また、タイパを重視し、唯一の正解を求める傾向が年々増している。しかし、これらは言い換えれば、目標をはっきりと見定め、集中して向かっていく熱意と、効率を重視し最適解を実行する振る舞いに長けているということでもある。

 また、目標とする未来が定まれば、彼らは自分なりに情報を集め、「セレクト」して歩き始める。今までにない可能性を内包したその歩みは、2024年の制度変更で選択の幅が広がった新NISAと重なる。コツコツ積み立てて業務を学んでいくのか(つみたて投資枠)、あるいはアグレッシブにチャレンジするのか(成長投資枠)。育成する上では、彼らの選択を尊重しつつ、いかにサポートし、導いていくかが問われていく。

 入社後については、就職活動中から自分なりのキャリアビジョンを定めていたり、「どのような社会貢献ができる会社なのか」を吟味してから入社するなど、すでに自分なりのビジョンがある程度確立している新入社員が多い。そうした状況もあり、「イメージしていた仕事や社風、社会人像とは違った!」というギャップを受ける傾向が、さらに強まりつつあるとみている。

 これらの特徴を踏まえ、受け入れ側の先輩社員たちは、一方的に指示を出すのではなく、彼らなりの価値観があることをまず理解し、受容する必要がある。その上で、彼らの理想と現実のギャップをどのように埋めていくべきかを考え、いかに具体的な目標や日々の学びに落とし込んで本人に伝えるかという、対話と指示のプロセスがますます重要になるだろうとの今後の育成のヒントを示している。

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