フルタイムで働く一般労働者の平均賃金は、男女計で前年比2.1%増の31万8300円(平均43.9歳、勤続12.4年)で、過去最高となったことが、厚生労働省がこのほど発表した「2023年賃金構造基本統計調査」結果(有効回答数4万8651事業所)で分かった。同調査は、10人以上の常用労働者を雇用する民間事業所を対象に、2023年6月分の賃金等(賞与、期末手当等特別給与額については2022年1年間)を調べたもの。
平均賃金を男女別にみると、男性は前年比2.6%増の35万900円(平均44.6歳、勤続13.8年)、女性は同1.4%増の26万2600円(同42.6歳、9.9年)となり、女性は10年連続で過去最高を更新し、フルタイムで働く女性の待遇改善が進んだ。この結果、男女間賃金格差(男性の賃金を100)は、74.8(前年75.7)で、0.9ポイント差が縮まっており、比較可能な1976年(昭和51年)調査以降で過去最少となっている。
企業規模別に賃金をみると、男性では、「大企業」が38万6700円(前年比0.0%)、「中企業」が34万1600円(同3.1%増)、「小企業」が31万9800円(同3.8%増)となり、男性は大企業を除く企業規模で前年を上回った。女性では、「大企業」が27万4600円(同▲1.3%)、「中企業」が26万2500円(同2.1%増)、「小企業」が24万8400円(同2.9%増)と、女性も大企業を除く企業規模で前年を上回っている。
また、主な産業別に賃金をみると、男性では、「金融業、保険業」が49万7500円で最も高く、次いで「教育、学習支援業」が43万6000円で続き、最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の29万100円だった。一方、女性では、「電気・ガス・熱供給・水道業」が34万1200円で最も高く、次いで「情報通信業」が31万7400円で続き、「宿泊業、飲食サービス業」が22万1700円で最も低くなっている。
なお、一般労働者のうち、雇用期間の定めのない者について、役職別の賃金をみると、男性では、「部長級」が60万4100円(年齢52.9歳、勤続年数22.8年)、「課長級」が50万700円(同49.2歳、21.2年)、「係長級」が38万2300円(同45.5歳、18.0年)、女性では、「部長級」が52万1000円(同52.4歳、19.5年)、「課長級」が43万800円(同49.4歳、19.3年)、「係長級」が33万5900円(同45.4歳、16.6年)となっている。
同調査結果の概況は
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/dl/13.pdf