全国の就業者のテレワーク利用率は13%まで低下

 NIRA総合研究開発機構が発表した「テレワークに関する就業者実態調査」結果(有効回答数8142人)によると、全国のテレワーク利用率の推移は、第1回目の緊急事態宣言が出された2020年4~5月は25%まで大幅に上昇したが、2020年6月の緊急事態宣言の解除後には17%に急速に低下した。その後、2022年12月までおおむね横ばいで推移。2023年3月には13%まで低下し、それ以降は安定的に推移している。

 新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類へと変更された2023年5月以降も、テレワーク利用率は安定的に推移していることから、底打ち状態になったことが示唆される。東京圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)のテレワーク利用率(居住地ベース)も、全国と同様の動きを示し、直近で22%となった。居住地域別にテレワーク利用率をみると、2023年3月に低下し、その後、安定的に推移する傾向はいずれの地域でもみられる。

 産業別に推移をみると、2023年10月時点でテレワーク利用率が高い産業は、「通信情報業」、「情報サービス・調査業」、「金融・保険業」、「製造業」となった。他方、テレワーク利用率が低い産業として、「公務」、「飲食業・宿泊業」、「医療・福祉」が挙げられる。時系列で詳しくみると、「通信情報業」を除き、産業間のテレワーク利用率の差が徐々に縮まってきている。

 職業別に推移をみると、2023年10月時点でテレワーク利用率が高い職業は、「管理的職業」、「専門的・技術的職業」、「事務」となった。他方、テレワーク利用率が低い職業として、「その他の職業」、「サービス職業」、「販売」、が挙げられる。時系列で詳しくみると、2023年以降、特に管理的職業のテレワーク利用率の低下が進み、職業間のテレワーク利用率の差が徐々に縮まってきている。

 通常の職場で勤務している人(テレワーク利用者含む)の出社頻度の推移をみると、2023年3月以降、「週5日以上」の割合が若干増加しているが、目立った変化はみられない。テレワーク利用者のテレワーク利用頻度の推移については、2023年3月時点で「週5日以上」の割合が若干減少したが4月には回復しており、2022年1月以降、目立った変化はみられない。

 同調査結果は

https://www.nira.or.jp/paper/report322401.pdf