帝国データバンクが発表した「2024年度の賃金動向に関する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1431社)によると、2024年度の企業の賃金動向は、正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引上げ)が「ある」と見込む企業は59.7%と3年連続で増加、2006年の調査開始以降で最高を更新した。一方、「ない」企業は13.9%と前回調査(17.3%)から3.4ポイント低下、調査開始以降で最も低い水準だった。
賃金改善の状況について企業規模別にみると、「大企業」(改善見込み60.6%)、「中小企業」(同59.6%)、「小規模企業」(同50.5%)の3規模すべてで、前回調査の2023年度見込みから賃金改善見込みの割合が上昇。また、従業員数別では、「6~20 人」、「21~50 人」、「51~100 人」、「101~300 人」で6割を超えている。「5人以下」(41.3%)では賃金改善を行う割合が低くなっているが、初めて4割台に達した。
他方、賃金改善を実施しない割合は「5人以下」(31.6%)が突出して高い。従業員数が21人以上の企業では、賃金改善がない企業はいずれも1割未満にとどまっている。業界別では『製造』(64.7%)が最も高く、『運輸・倉庫』(63.7%)や『建設』(62.5%)が続いている。2024年4月から時間外労働の上限規制が始まるトラックドライバーや建設業界などで、賃金改善を実施する企業の割合が昨年より高まっていた。
2024年度に賃金改善が「ある」企業のその理由(複数回答)は、人手不足などによる「労働力の定着・確保」が 75.3%と最多。また、昨年の調査から尋ねている「従業員の生活を支えるため」は 63.7%。前回よりは低下も、依然として6割を超える水準となっている。さらに、飲食料品などの生活必需品の値上げが響いている「物価動向」(51.6%)は前回より5.9ポイント減少したものの、引き続き半数超の企業が理由として挙げていた。
他方、賃金改善が「ない」企業のその理由(複数回答)は、「自社の業績低迷」が56.3%と2023 年度見込み同様に最多。また、「物価動向」(17.8%)は賃金改善を行う理由でも上位に挙げられた一方で、物価上昇が賃金改善を行えない状況をもたらしていた様子もうかがえる。以下、新規採用増や定年延長にともなう人件費・労務費の増加などの「人的投資の増強 」(13.6%)、「同業他社の賃金動向」(13.3%)、「内部留保の増強」(11.2%)が続いた。
同調査結果は