玩具市場、2022年度も引き続き模型・ホビー等が牽引

 矢野経済研究所が発表した「玩具市場に関する調査」結果によると、2022年度の国内玩具市場規模(メーカー国内出荷金額ベース)は、主要9品目で前年度比6.8%増の7636億円、テレビゲームを除く主要8品目では同10.8%増の4236億円だった。当年度は上期まではコロナ禍の影響が残ったが、巣ごもり需要に落ち着きがみられたことから、コロナ禍で大きく伸ばしたジグソーパズル市場は前年度比▲12.8%で2年連続の二ケタ減となった。

 一方、模型・ホビー市場は依然として好調が続き、同17.1%増と二ケタ増で着地した。またトレーディングカードゲーム市場の人気も衰えず、新たなタイトル(商品)の投入もあり、こちらも同33.6%増と大きく伸ばした。その影響により、本調査で同市場を包含する男児キャラクター・男児玩具市場も同22.4%増と大幅に増加し、主要8品目の市場規模を押し上げた。

 玩具メーカーや玩具卸などが自社運営する大型のカプセルトイ専門店が引き続き拡大。また、大型専門店以外でも、コロナ禍で空きテナント・空き区画を有する商業施設が増えたことで、空きテナント・空き区画にガチャマシンを設置する動きも活性化。カプセルトイにおいては、販売単価は低いものの人手を要せず効率的な販売が可能なことから、労働力不足が課題となることも多い環境下で、積極的な設置が進んでいるものとみられる。

 これらにより、カプセルトイのメーカー出荷が大幅に増えていることが、市場拡大の主な要因として挙げられている。​コロナ禍以降は、アミューズメント業界を中心に異業種も含めて参入企業が増え、アイテム数も大幅に増加している。新商品が絶えず発売・供給されることで売り場が活性化していることも、市場全体としてはプラスに作用していると考えられる。

 2023年度の国内玩具市場規模(メーカー国内出荷金額ベース)は、主要9品目で前年度比3.5%増の7905億円、テレビゲームを除く主要8品目では同5.2%増の4455億円と予測。模型・ホビー市場やトレーディングカードゲーム市場の需要拡大が続いていることに加えて、訪日外国人観光客数が急回復しており、インバウンド需要としても玩具が選ばれていることから、2023年度も好調な推移が続くものと予測している。

 同調査結果は

https://www.yano.co.jp/press/press.php/003447