2023年の全国社長の平均年齢、過去最高の63.76歳

 東京商工リサーチが発表した「2023年の全国社長の年齢調査」結果によると、人口減少と少子高齢化が進むなか、社長の平均年齢は2023年に63.76歳(前年63.02歳)に伸びたことが分かった。前年を0.74歳上回り、調査を開始した2009年以降で最高を更新した。また、70代以上の社長の構成比が35.49%と初めて30%台後半に達して年代別で最も多く、事業承継の遅れも浮き彫りになった。

 社長の年代別の企業業績は、直近決算で「増収」は30代以下が62.0%で最も高く、唯一の60%超えとなった。一方、70代以上は45.5%と唯一50%を割り込み、最低だった。社長が高齢化するほど業績が伸び悩む傾向にある。収益面では、70代以上は「赤字」や「連続赤字」の構成比がそれぞれ25.9%、14.24%となって他の年代より高く、社長の年齢に伴い逆相関がみられた。

 2023年に「休廃業・解散」した企業は過去最多の4万9788件を記録。社長年齢は平均72.00歳で、4年連続で70代に乗せた。一方、生存企業の社長の平均年齢は63.76歳で、差は8.24 歳(前年8.61歳)と、前年よりも年齢差が若干縮小した。「休廃業・解散」した企業の社長の年齢別分布は、70代以上が66.6%で、2019年(56.0%)からの4年間で10.6ポイント上昇。「70歳」が、事業継続の可否を判断する境目となっているようだ。

 産業別の平均年齢は、最高が「不動産業」の65.64歳で唯一、60歳代後半に達した。以下、「小売業」64.72歳、「卸売業」64.64歳の順。社長の平均年齢の最低は、ベンチャー企業が多い「情報通信業」の57.90歳で、唯一、60歳を下回った。平均年齢が最高の不動産業は70代以上の構成比が40.8%で唯一、40%超と突出。一方、平均年齢が最低の情報通信業は、30代以下(6.4%)と40代(19.9%)では、10産業で最も構成比が高かった。

 業種別の平均年齢は、幼稚園から大学、専修学校まで含む「学校教育」の68.19歳で最も高い。次いで、「織物・衣服・身の回り品小売業」68.18歳、農協や漁協などの「協同組合」67.90歳が続く。一方、平均年齢が最も低いのは、「インターネット附随サービス業」の48.66歳で、唯一40代。次いで、インターネット通販を含む「無店舗小売業」54.61歳が続き、インターネットを活用した業種の経営者は若い年代が多くなっている。

 都道府県別では、社長の平均年齢の最高は「高知県」の65.96歳。前年から1.02歳上昇し、2020年以来、3年ぶりのトップ。以下、前年まで2年連続でトップだった「秋田県」65.70歳、前年6位だった「富山県」65.40歳が続き、上位3県は65歳を超えた。このほか、岐阜県64.98歳(前年19位)と奈良県64.95歳(同12位)が大きく順位を上げ、5位までに入った。一方、最年少は「広島県」の62.67歳で2年ぶりに最年少になった。

 同調査結果は

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198339_1527.html