約6割の企業が必要な人数を確保できていない状況

 リクルートワークス研究所が発表した「民間企業における2023年度上半期の中途採用実績、2024年度の中途採用の見通しに関する調査」結果(有効回答数4306社)によると、2023年度上半期の中途採用において、必要な人数を確保できた企業は39.2%、確保できなかった企業は58.5%となっており、中途採用確保DI(「確保できた-確保できなかった」)は-19.3%ポイントと、依然として中途採用での人材確保は難しい状況にある。

 従業員規模別にみると、全ての従業員規模でDIがマイナス。業種別にみると、「金融・保険業」(+1.4%ポイント)以外の全ての業種でDIがマイナスであり、全体的に採用困難な状況にあった。特に、「医療・福祉」(-34.8%ポイント)、「飲食店・宿泊業」(-33.9%ポイント)、「運輸業」(-28.8%ポイント)、「建設業」(-27.5%ポイント)でDIが低かった。それ以外の業種でもDIのマイナス幅は大きく、全体的な人材確保難となっている。

 2024年度の中途採用見通しは、「増える」(22.4%)が「減る」(4.0%)を上回り、「増える-減る」のポイントは+18.4%ポイントとなった。2021年度はコロナ禍のため採用意欲が一時減退したものの、2022年度に一転増加して以降、中途採用見通しは継続的に増加している。「わからない」と回答した企業の割合は2023年度以降減少しており、2024年度の割合はコロナ禍直前の2020年度に近い水準となった。

 2024年度の中途採用見通しを業種別でみると、大分類・中分類ともに、全ての業種で「増える」が「減る」を上回っている。大分類でみると、「流通業」で2023年度の+16.2%ポイントから2024年度の+22.2%ポイントに+6.0%ポイントの増加、「金融業」で2023年度の+12.4%ポイントから2024年度の+19.5%ポイントに+7.1%ポイントの増加となり、この2つの業種で増加が大きかった。

 また、中分類でみると、「増える」が「減る」を大きく上回っているのは、「飲食店・宿泊業」(+32.9%ポイント)、「運輸業」(+26.0%ポイント)、「小売業」(+24.3%ポイント)の3業種。いずれも人手不足が目立つ業種であり、引き続き中途採用に意欲的だ。

 同調査結果は

https://www.works-i.com/research/works-report/item/240118_midcareer.pdf