パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」が、20~59歳のビジネスパーソン1万5000人を対象に実施した「2023年の職種別の平均残業時間調査」結果によると、2023年4~6月の平均残業時間は21.9時間/月で、前回から0.3時間減少した。1ヵ月の実働日数を20日とすると、単純計算で1日当たり1時間程度の残業が行われていることが分かる。
過去5年間の平均残業時間の推移をみると、2019年は24.9時間だったのに対し、働き方改革関連法が施行されたことやコロナ禍の影響もあり、2020年、2021年はそれぞれ20.6時間、20.8時間と大幅に減少。その後、コロナ禍で停滞していた経済活動が戻りつつあることを受けて、2022年には22.2時間と増加した。2023年は、21.9時間と減少したものの、2022年とほぼ同じ水準になっている。
職種別でみると、残業時間が最も少ない職種1位は、前回8位だった「一般事務」で、前回から-2.7時間の10.6時間だった。前回1位だった「秘書/受付」は前回から+1.4時間の11.4時間で2位となっている。また、3位の「医療事務」(12.0時間)、4位の「美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)」(13.0時間)、5位の「営業事務」(13.3時間)はそれぞれ前回調査でも5位以内だったため、2位から5位に大きな変化はなかった。
TOP20の中で前回調査から大きく残業時間が減ったのは、15位の「品質管理/品質保証(素材/化学/食品系)」(前回:22.2時間→今回:15.5時間)、17位の「社内SE」(前回:21.5時間→今回:16.0時間)、19位の「Webエンジニア」(前回:24.9時間→今回:17.4時間)、20位の「食品メーカーの営業/消費財メーカーの営業」(前回:24.1時間→今回:18.2時間)の4職種。いずれも前回TOP20圏外からのランクインとなった。
職種別でみると、残業時間の多い職種1位は前回と同じく「プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)」で、前回から+5.1時間の42.2時間となった。小説やマンガ、アニメなどの人気の高まりや、コロナ自粛が明けたことでリアルイベントの需要が回復し、紙媒体や告知用広告のニーズが戻ったことなどが残業時間増加に影響したとみられる。2位は「設計監理/コンストラクションマネジメント等」(39.1時間)。
3位は「建築設計/デザイン/積算/測量等」(31.1時間)。「店長」は前回の18.9時間から+11.1時間の30.0時間で5位となった。コロナ禍で停滞していた経済活動が戻りつつあることで小売店や飲食店への来店者が増える一方、店舗ではスタッフの採用が間に合わず、深刻な人材不足が課題になっているケースも少なくない。その結果、TOP20の中で最も残業時間の増加幅が大きくなったと推測している。
同調査結果は
https://www.persol-career.co.jp/pressroom/news/research/2024/20240115_01/