OECデータに基づく2022年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり付加価値額)は52.3ドル(5099円/購買力平価(PPP)換算)となったことが、日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較」で分かった。OECD加盟 38 カ国中30位だった。2021年と比較すると、実質ベースで前年から0.8%上昇。就業者や労働時間がほぼ横ばいだったため、経済成長(+1.0%)による寄与が最も大きくなっている。
日本の労働生産性は、米国(89.8ドル)の6割弱(58.2%)の水準に相当し、主要先進7ヵ国でみると、データが取得可能な1970年以降、最下位の状況が続いている。OECD加盟38ヵ国の中でも30位(2021年は28位)となり、順位でみると、1970年以降で最も低く、ポルトガル(52.6ドル)やポーランド(53.0ドル)、スロバキア(51.7ドル)、「ハンガリー」(49.4%)といった国などとほぼ同水準となっている。
また、就業者一人当たりでみた2022年の日本の労働生産性は、8万5329ドル(833万円/購買力平価(PPP)換算)。ハンガリー(8万5476ドル)やラトビア(8万3982ドル)といった東欧・バルト海沿岸諸国、ポルトガル(8万8777ドル)などとほぼ同水準で、西欧諸国では労働生産性水準が比較的低い英国(11万2351ドル)やスペイン(10万8562ドル)と比較しても2割強低くなっている。
日本の一人当たり労働生産性は、前年から実質ベースで0.3%上昇したが、OECD加盟38ヵ国中31位(2021年は29位)と、1970年以降最も低い順位。就業者一人当たりでみても、主要先進7ヵ国で最も低い水準。また、2021年の日本の製造業の労働生産性(就業者一人当たり付加価値)は、9万4155ドル(1078万円/為替レート換算)。米国(16万8989ドル)の6割弱(56%)の水準で、OECD加盟の主要35ヵ国の中では18位だった。
なお、2022年の労働生産性(時間当たり・実質ベース)が「コロナ前」 (2019年)の水準を上回るのは、OECD加盟38ヵ国中35ヵ国にのぼる。日本も2019年水準をやや上回る(2019年比102.0%)が、OECD加盟38ヵ国中25位となっている。足もとの2022年7~9月期の労働生産性上昇率(一人当たり・実質ベース前年同期比)は+1.2%と、日米英独4ヵ国の中で最も高い上昇率だった。
「労働生産性の国際比較2023年」は