来春の賃上げ、「2023年超え」は1割強にとどまる

 東京商工リサーチが発表した「賃上げに関するアンケート調査」結果(有効回答数4581社)によると、2024年の賃上げについて、実施予定の企業は82.9%と8割を超えた。内訳は、「2023年と同じ程度になりそう」が51.5%でトップ。「2023年を超えそう」は、11.6%と全体の1割強にとどまった。「2023年を下回りそう」は19.7%。一方、「賃上げできそうにない」は17.0%だった。

 規模別では、「2023年を超えそう」は大企業が14.1%に対し、中小企業は11.3%で、大企業が中小企業を2.8ポイント上回った。中小企業は、「賃上げできそうにない」が17.9%と、大企業(9.2%)より8.7ポイント高い。業績不振から抜け出せず、賃上げへの取組みが難しい中小企業も多いとみられる。また、産業別の構成比では、10産業全て「2023年と同水準」が最も高かった。

 「2023年と同水準」は、「金融・保険業」(48.4%)、「不動産業」(46.2%)、「情報通信業」(42.1%)を除く7産業で過半数を超えた。「2023年を超えそう」の構成比が最も高い産業は「不動産業」で17.5%だった。次いで、「情報通信業」15.6%、「サービス業他」13.1%、「卸売業」12.0%と続く。一方、「農・林・漁・鉱業」(8.6%)、「製造業」(9.9%)、「金融・保険業」(9.0%)は構成比が1割を下回った。

 「2023年を下回る」または「賃上げできそうにない」と回答した企業の構成比は、最高が「金融・保険業」で42.4%。次いで、「情報通信業」42.1%、「農・林・漁・鉱業」39.1%、「製造業」38.7%と続く。最低は、「建設業」の32.8%だった。「2023年を超えそう」の構成比を業種別でみると、最高が「倉庫業」で26.6%。倉庫業は、EC取引の拡大を追い風に需要が増加傾向にあり、自動化やデジタル化で業務の効率化が進む企業もみられる。

 「2023年を下回る」、「賃上げできそうにない」を合算した構成比は、テレビ番組、アニメなどの制作会社や新聞、出版業などが分類される「映像・音声・文字情報制作業」の66.6%で、唯一6割を超えた。海外のコンテンツサービス会社の台頭などで、メディアや出版関連の消費者ニーズが多様化し、競合環境は厳しさを増しており、賃上げが難しい企業が多いようだ。以下、「飲食店」55.0%、「広告業」53.5%など、5割を超えた業種は8業種だった。

 賃上げ原資の確保に必要なこと(複数回答)については、最高が「既存製品・サービスの値上げ(価格転嫁など)」の65.2%。大企業が65.3%、中小企業が65.1%と規模別でもほぼ同水準だった。次いで、「従業員教育による生産性向上」が44.3%が続く。規模別では、大企業が51.8%と、中小企業の43.4%を8.4ポイント上回る。大企業は、中小企業よりも人材開発を重視する傾向がみられる。

 同調査結果は

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198224_1527.html