全国企業メインバンク、信用金庫のシェア過去最高に

 帝国データバンクが発表した「全国企業メインバンク動向調査」結果によると、2023年の全国メインバンク社数トップは「三菱UFJ銀行」となった。企業数は9万4513社となり、2009年の調査開始以降15年連続のトップとなった。しかし、全国シェアでは6.44%と前年から0.09 ポイント低下・社数で1205社減少し、14年連続のシェア縮小となったほか、低下幅は22年に続き全金融機関で最大となった。

 2位は「三井住友銀行」の7万6158社(シェア5.19%)で、前年からシェアで0.06ポイント低下、社数で722社減少。3位の「みずほ銀行」も、シェアで0.06ポイント、社数で740社減少した。この結果、メガバンク(都市銀行)上位3行のメイン社数は22年比で2667社・シェアにして計0.21ポイントの低下となり、引き続きシェアの低下傾向が続いた。一方、「りそな銀行」(3万931社、同2.11%)は社数で増加した。

 地方・第二地方銀行では、「北洋銀行」(2万3728社)が最多。次いで「福岡銀行」(2万2444社)、「千葉銀行」(2万1462社)、「西日本シティ銀行」(2万985社)と続く。なかでも「福岡銀行」は、前年から増加したメイン社数が、経営統合や合併などによる増加分を除く全金融機関の中でトップ(348社増)。信用金庫・信用組合では、「京都中央信金」(8214社)が最多。「多摩信金」(7520社)は京都中央信金に次いで全国2番目に多かった。

 業態別にみると、シェアが最も高いのは「地方銀行」で40.52%だった。全業態のなかでは唯一4年連続でシェア4割を超えたものの、2016~22年にかけて続いたシェア拡大の動きは8年ぶりにストップした。全国で3メガを含む「都市銀行(メガバンク)」のシェアは19.11%で、前年を0.19ポイント下回り過去最低を更新した。「第二地方銀行」、「信用組合」など上位3業態も、それぞれ前年からシェアが低下した。

 実店舗を持たず、インターネットバンキングなどオンラインでの金融事業を主力事業とする「ネット銀行(新形態の銀行)」の躍進も目立った。他業態に比べ大幅なシェア拡大が続くネット銀行のシェアは、2023年で0.20%(前年比+0.03ポイント)、社数で約3000社規模に達した。10年前から社数で約6倍、シェアで約5倍に拡大。決済手数料や基本利用料の低さを背景に、ネット銀行の口座開設・切替えを進める企業の増加が目立つ。

 地域の中小企業を主な融資先とする信用金庫のシェアが大幅に拡大。「信用金庫」(シェア23.59%)は5年連続でシェアが拡大したほか、拡大幅は0.12ポイントと全業態中最大となり、過去5年で最も大きかった。背景には、実質無利子・無担保のいわゆる「ゼロゼロ融資」の貸出し等で、中小企業との接点が増えたことも大きいとみられる。地域の中小企業に密着した融資や経営問題の解決を得意とする信用金庫の存在感が高まっている。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231208.pdf