ことし5月に新型コロナウィルス感染症が5類に移行してから、初めての忘・新年会シーズンに突入した。東京商工リサーチが発表した「忘・新年会に関するアンケート調査」結果(有効回答数4905社)によると、今シーズンの忘・新年会の実施率は55.9%にのぼることが分かった。前回調査(10月)の54.4%から1.5ポイント上昇した。10月時点では動向を慎重に見極めていた企業が、忘年会の開催に舵を切ったとみられる。
ただ、4割以上(44.0%)の企業では開催しないことが確実な情勢だ。企業主導の忘・新年会は、飲食店には重要な収入源だが、コロナ禍を契機に変化した環境は来年以降も継続する可能性がある。一方で、友人や仲間との小規模の忘年会への移行は進んでいるとみられる。コロナ禍前には企業の宴会や二次会の需要に支えられてきた飲食店や納入業者は、戦略の再考が避けられない。
近年と比べると、最多は「コロナ禍前(2019年末または2020年初)も実施しており、今回(2023年末または2024年初)も実施」の34.9%。また、「コロナ禍前は実施も、今回は実施」は20.9%で、今シーズンに忘・新年会を「実施」は合計55.9%と過半数を超えた。一方、「コロナ禍前も今回も実施しない」は25.4%、「コロナ禍前は実施も、今回は実施しない」は18.6%で、今シーズンは「実施しない」は44.0%だった。
コロナ禍前から変わらずに実施する理由では、最も多かったのは「従業員の親睦を図るため」の87.1%、次いで「従業員の士気向上のため」の58.5%だった。「会社の定番行事のため」は37.6%にとどまった。規模別では、「従業員の士気向上のため」と「会社の定番行事のため」との回答割合は、大企業より中小企業が高かった。「その他」は、「協力会社への御礼」や「従業員からの要望」など。
コロナ禍前から一転し、今シーズンは実施しない理由では、最多は「開催ニーズが高くないため」の62.3%、次いで「参加に抵抗感を示す従業員が増えたため」の37.5%。規模別では、開催ニーズや従業員の抵抗感をあげる割合は、中小企業より大企業が高かい一方、労務管理や費用面を理由とする割合は中小企業が高かった。「その他」では、「インフルエンザ流行のため」など、感染症への懸念を示す声も多く寄せられた。
同調査結果は