日本政策金融公庫が発表した「2024年の中小企業の景況見通し調査」結果(有効回答数571社)によると、2023年の業況判断DI(前年比、「改善」-「悪化」企業割合)の実績は8.2と、2022年から1.9ポイント上昇した。2024年の業況判断DIは12.7と、2023年実績から4.5ポイント上昇する見通し。2024年の業況判断DIを需要分野別にみると、2023年実績に比べて、建設関連、設備投資関連、電機・電子関連で上昇する見通し。
2023年の業況が「改善」と判断した要因(3つまで回答)をみると、「国内需要の動向」の割合が77.3%で最も高く、次いで「製・商品の販売価格の動向」(50.6%)、「新型コロナウイルス感染症の影響」(21.6%)の順。「悪化」と判断した要因(同)をみると、「国内需要の動向」の割合が72.3%で最も高く、次いで「主要原材料等の仕入価格の動向」(56.2%)、「原油・エネルギー価格の動向」(36.9%)の順となっている。
2024年の売上高DI(前年比、「増加」-「減少」企業割合)は17.1と、2023年実績から0.7ポイント上昇する見通し。2024年の経常利益額DI(同)は7.2と、2023年実績から0.4ポイント上昇する見通し。2024年の販売価格DI(前年比、「上昇」-「低下」企業割合)は25.0と、2023年実績から27.2ポイント低下する見通し。2024年の仕入価格DI(同)は34.7と、2023年実績から19.9ポイント低下する見通し。
2024年の設備投資額DI(前年比、「増加」-「減少」企業割合)は0.8と、2023年実績から3.2ポイント低下する見通し。2024年の従業員数DI(同)は12.5と、2023年実績から8.7ポイント上昇する見通し。2024年の資金繰りDI(前年比、「緩和」-「悪化」企業割合)、貸出態度DI(同)、借入残高DI(前年比、「増加」-「減少」企業割合)は、2023年実績から低下する見通しとなっている。
2024年に向けての不安要素(3つまで回答)は、「原材料価格、燃料コストの高騰」が69.0%と、前年と同じく最も高い割合を占めている。「人材の不足、育成難」(59.9%)などの割合は、前年調査に比べて上昇。一方、「原材料価格、燃料コストの高騰」や「新型コロナウイルス感染症の影響」(2.7%)などの割合は、前年調査に比べて低下した。2024年に注力する分野は、「人材の確保・育成」が65.1%と、最も高い割合を占めている。
「人材の確保、育成」などの割合は、前年調査に比べて上昇。一方、「販売価格の引上げ、コストダウン」(42.4%)などの割合は、前年調査に比べて低下した。また、2024年に期待する要素は、「原油価格の下落によるコスト低下」の回答割合が23.9%と最も高く、次いで「円高による輸入製品等の価格の低下」(16.1%)、「株高や所得の増加による消費マインドの改善」(13.4%)の順となっている。
同調査結果は↓