2024年に創業「100周年」企業、全国に2019社

 帝国データバンクが発表した「全国周年記念企業調査」結果によると、2024年(令和6年)に節目となる周年(10年、50年単位)を迎える企業は、2023年11月時点で、全国に13万224社あることが判明した。このうち、創業から半世紀となる「50周年」企業が1万8376社、「100周年」企業が2019社にのぼった。周年企業全体のうち、上場企業は314社判明し、2004年(平成16年)創業の「20周年」が52社で最も多い。

 2014年創業の「10周年」が34社、1944年創業の「80周年」が33社と続く。業種別でみると、「建設」が3万6624社と全体の28.1%を占めトップ。次いで「サービス」が3万4739社と全体の26.7%を占め、この2業種で周年企業の半数超にのぼった。主な周年記念企業では、創業から400年を迎える「カステラ本家福砂屋」(長崎県長崎市)は、カステラの製造販売を目的に殿村某氏が1624年(寛永元年)に個人創業したことが起源。

 上場企業でみると、創業100周年では空調メーカーとして世界シェアNo.1の「ダイキン工業」(大阪市北区)、大手菓子メーカーの「ブルボン」(新潟県柏崎市)、総合玩具メーカーの「タカラトミー」(東京都葛飾区)、50周年では建築工事の「東建コーポレーション」(名古屋市中区)、10周年ではきらぼし銀行などを子会社に置く「東京きらぼしフィナンシャルグループ」(東京都港区)などが名を連ねる。

 非上場企業でみると、創業100周年ではコーンフレークやビスケットを製造・販売する日清食品グループの「日清シスコ」(大阪市淀川区)、50周年ではアパレルの「アーバンリサーチ」(大阪市西区)や「アフラック生命保険」(東京都新宿区)、10周年では電子決済サービス「PayPay」のクレジットカードを管理する 「PayPayカード」(東京都千代田区)や、ふるさと納税ポータルサイト運営の「さとふる」(東京都中央区)などがある。

 2024年に創業100周年を迎える「ダイキン工業」(大阪市北区)は100周年の記念事業として、コロナ禍での大阪本社・東京支社の移転などを行い、中長期を見据えた「攻め」の体制を固める動きをしている。「2024年の創業100周年に向けて、多様な人材が活躍できる環境づくりを推進し、次の100年のさらなる成長と発展につなげていく」と、より力強い成長戦略を描くことで未来に向けた挑戦に取り組んでいる。

 創業・設立から記念すべき節目を迎える「周年企業」。長い間企業を存続・発展させていくのは容易なことではない。周年記念は祝典だけにとどまらず、自社ブランドの向上や新しいプロモーションの機会でもある。また、創業から今日までの歩みを振り返るとともに、原点に立ち返り、事業戦略や方針を見直す企業も少なくない。社会全体が変革を求められるなかで、周年を迎える企業が今後さらなる発展を遂げることを期待したい。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231201.pdf