来年の食品値上げ1596品目、23年比8割減ペース

 帝国データバンクが発表した「食品主要195社の価格改定動向調査」結果によると、2024 年の食品値上げは11月末時点で1596品目となり、22年同月時点の翌年予定数・6785品目と比べて8割減のペースで推移している。実質賃金の減少などを背景に、消費者側の物価高に対する拒否感も足元で鮮明となってきた。物流費の上昇など引き続き値上げ圧力もあるが、大規模な値上げラッシュは24年春まで概ね「収束」傾向で推移するとみられる。

 主要な食品メーカー195社における、12月の飲食料品値上げは677品目となった。単月の値上げ品目数としては2023年7月以来5ヵ月ぶりに前年同月を上回るものの、2000品目を超える値上げが常態化していた今年中旬までの推移に比べると大幅に少なく、年内で2番目に少ない水準となった。2023 年通年の値上げ品目数は累計で3万2395品目となり、22年の水準(2万5768品目)を上回る記録的な値上げラッシュの1年となった。

 ただ、2023年中旬にかけて段階的な価格転嫁=値上げが浸透し採算性の改善が進んだほか、一部食品では値上げ後に販売数量が減少といった消費者の「値上げ疲れ」による影響も加わったことで値上げの勢いが夏以降に鈍化し、当初想定された年間3万5000品目は下回った。一方、11月末までに判明した24年の値上げは、オリーブオイルやゴマ製品など原材料、だし製品やケチャップなど調味料、冷凍食品などを中心に累計1596品目となった。

 単月で最も多い2月は1091品目と、2023年10月以来4ヵ月ぶりに1000品目を上回るものの、いずれの月も23年同月を大幅に下回った。22年11月末時点で判明した翌年(23年)の値上げ予定品目数は、魚肉製品、加工食品を中心に6785品目にのぼったのに対し、24年の値上げ予定品目数は8割減の水準にとどまる。値上げペースは総じて大幅な減速傾向をみせており、24年通年の値上げ品目数は最大で1万品目前後の水準が予想される。

 食用油の一斉値上げなどから始まった、約2年にわたる食品の値上げラッシュは「当面収束する」とみられる。なお、2023年12月の値上げは、ソース製品など「調味料」(505品目)が全食品分野で最多。「乳製品」(167品目)は、乳価改定の影響を受けたバターや生クリーム製品の値上げが中心で、23年としては4月、8月に次ぐ3番目の多さだった。「加工食品」及び「酒類・飲料」は、対象となる値上げ品目がそれぞれゼロだった。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231112.pdf